論説・コラム

回転窓/「忙」の1年にこそ [2015年1月5日1面]

 〈復興の魁は料理にあり 滋養第一の料理ははち巻にある〉。水上滝太郎の小説『銀座復興』にそんな一節がある。関東大震災で焼け野原となった東京・銀座に、初めて明かりを灯したトタン小屋の飲み屋「はち巻」が掲げた張り紙である▼小説は、店の客たちの人間模様を交え、復興へと歩み始める街の様子を描いている。昭和初めの作品だが、東日本大震災後に岩波書店から復刻出版された▼今年は終戦から70年、阪神大震災から20年...続きを読む

回転窓/怒涛の年末年始 [2014年12月26日1面]

 この年末年始、暦の関係で多くの企業はきょう26日が仕事納め、年明け5日が仕事始めとなる。例年より少し長い休暇を、帰省先や自宅で過ごす人もいれば、一気に海外へという方もおられよう▼一方、「あすから休暇」とは言っていられないのが、東京・永田町の国会周辺や霞が関の官庁街である。14日の衆院選を経て24日に第3次安倍内閣が発足した。閣僚は1人を除いて第2次改造内閣の顔触れが再任されたが、選挙期間中の空白...続きを読む

回転窓/災害列島2014 [2014年12月25日1面]

 今年を表す漢字は「災」。日本気象協会の気象予報士が選んだものだ。理由はもちろん頻発した自然災害。台風8号や11号が来襲し、台風では初めての特別警報も発令された▼8月豪雨では広島市に大規模土砂災害が発生した。今夏の西日本は記録的な多雨と日照不足に。「記録的」という表現が連発されるのも、このところの傾向といってよいだろう▼豪雨だけではない。御嶽山では、行楽日和のお昼時という最悪のタイミングで噴火が起...続きを読む

回転窓/キーワードは「人」 [2014年12月24日1面]

 12月に入って、年明けの紙面に掲載する各企業の社長インタビューの取材に追われている。各社の経営方針や戦略などをトップの口から直接聞けるのは、企業取材を担当する記者の醍醐味(だいごみ)の一つ。この仕事を始めて20年になるが、社長取材はいまだに緊張する▼この1カ月で30人前後の社長に話を聞いたが、多くの方に共通するのは、足元も先行きも、決して楽観はできないという認識。建設需要の増加を追い風に各社の業...続きを読む

回転窓/暴飲暴食にご注意を [2014年12月22日1面]

 「食卓の情景」「むかしの味」「旅でみつけたうまいもの」…。池波正太郎氏の食べ物本を読むと、いつも食欲が湧いてくる▼ラーメンや天ぷら、カレーライス、おでんなどごく平凡な食べ物を取り上げているのだが、読後に同じものを食べたくなる。書かれている店名をひそかに手帳に記し、いつかチャンスがあれば行ってみようと思うのだが、実現したためしはない▼独文学者の池内紀氏は、池波氏の食べ物本を「食通以上に、さりげない...続きを読む

回転窓/無線LAN付き災害対応型自販機 [2014年12月19日1面]

 日本に来た外国人が驚くことの一つに自動販売機の多さがあるそうだ。空港、電車のホーム、沿道など至るところに自販機が並んでいる状況は日本人でも感心することがある▼日本自動販売機工業会の調べによると、国内の自販機の数は509万台(13年末時点)。人口や国土面積を勘案した普及率では日本が世界一という。509万台の半分は飲料用らしいが、最近は扱われる商品も菓子類やパンなど多様化している▼東日本大震災後に注...続きを読む

回転窓/年末の大掃除 [2014年12月18日1面]

 今年も残すところあと2週間。新年を迎えるに当たり、職場や自宅などさまざまな場所の大掃除を行うことが古くから年末の慣習となっている▼1年間のすすや汚れを払い落とし、洗い流す。新たな年神様を迎えるための準備とともに、掃除を通して自らの心を清める意味もあるようだ▼年末に限らず、掃除にかける時間や労力がない人向けに、掃除代行サービスを展開する企業が目立つ。台所や浴室など家の中だけではなく、車やお墓なども...続きを読む

回転窓/創造するプロの意識 [2014年12月17日1面]

 「プロ意識」といった言葉をよく耳にする。「プロ」とは「プロフェッショナル」、つまり「専門家」を意味するが、一般にはどこかその定義も曖昧なままに使われている気がしてならない▼建設会社の本業は「創る」ことで、その担い手は「創る」プロ。だが、長年にわたる公共事業バッシングもあり、建設業のプロたちは自ら「創りたい」とは言いづらい環境にあった。本来は高い意識を持ったプロが堂々と「創りたい」と言えてこそ従来...続きを読む

回転窓/長距離列車のロマン [2014年12月16日1面]

 大陸はさすがにスケールが違うと感じさせられたニュース▼スペインと中国を結んで世界最長区間を走る貨物列車の第1号が、3週間の旅程を終えてスペインのマドリードに到着したと先週、通信社の外電が伝えていた。中国東部の義烏市を11月18日に出発し、カザフスタン、ロシア、フランスなど6カ国を経てスペイン入りした▼その距離、実に1万3000キロ。船便より時間・コストを大幅に削減でき、欧州の鉄道会社が来年前半に...続きを読む

回転窓/南三陸町の復興と政治的空白 [2014年12月15日1面]

 宮城県南三陸町では、旧市街地のかさ上げや高台移転のための土地造成が急ピッチで進んでいる。東日本大震災の津波で町が壊滅するほどの被害を受けただけに、復興の進展が分かりにくかったが、新たなまちづくりが目に見えてきた▼陣頭指揮を執ってきた佐藤仁町長の著書『南三陸町長の3年』(河北新報出版センター)にはこれまでの苦労が。町民の安否確認、食料の確保、集団二次避難先の手配、高台移転用地の取得-。星空を仰ぎ一...続きを読む

復興進む東北-建設関連業の将来どう描く/事業量ある今が変革へのチャンス [2014年12月12日1面]

 東日本大震災からの復興事業が進む東北地方。建設業と同様、建設コンサルタントや測量などの建設関連業も膨大な量の業務をこなしている。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)では、調査・設計の品質確保も位置付けられ、同法をはじめとする「担い手3法」が魅力ある産業への転換を後押しするとの期待は高い。事業量がある今のうちに復興後の業界像を描こうという動きが出始めている。
 「復旧・復興を円滑に進める...続きを読む

回転窓/2日後に迫った衆院選 [2014年12月12日1面]

 アベノミクスの是非を問う衆院選が2日後に迫った。安倍晋三首相の解散表明から2週間後の今月2日に公示。師走を駆け抜ける12日間の戦いの結果は…▼2年前の同じ時期に行われた衆院選。直前に起きた山梨県の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故は、「コンクリートから人へ」を唱え、公共事業費を削減し続けた前政権に「ノー」を突き付けた▼その後誕生した自公政権では、太田昭宏国土交通相が13年を「メンテナンス元年...続きを読む

回転窓/プランクトンのタイムカプセル [2014年12月11日1面]

 北海道沖で捕れるホッケが不漁で、釧路市の動物園が困っているという。1日に約10キロを平らげる大型アシカを筆頭に、飼育する動物の餌として膨大な量が必要なためだ。代替品を探すのも一苦労で、コストがかさんでいる▼不漁が問題になる一方で、特定種の急増に困ることもある。こうした異常事態の一因には、動物プランクトンの変動があるといわれる。動物プランクトンは魚類の大事な餌であり、直接食べられないものでもその排...続きを読む

回転窓/応災力を担う業界 [2014年12月10日1面]

 3年ほど前の冬に車で山中の道路を走っていた時、激しく降る雪でいつ立ち往生してもおかしくない状況に直面したことがある。夜間にどんどん降り積もる雪を見て、言いようのない恐怖感を覚えた▼先週来、各地で大雪による被害が相次いでいる。徳島県内では集落が孤立し、犠牲者も出る大きな被害が発生。今年2月の関東甲信地方を襲った豪雪の被害が記憶に新しいだけに、これからの本格的な冬が気掛かりだ▼日本建設業連合会が来春...続きを読む

回転窓/バリアフリーとおもてなし [2014年12月9日1面]

 数年前、趣味のフットサルの練習中に切れた左ひざの靱帯(じんたい)を再建する手術を受けた。会社を約1カ月休み、復帰後もしばらくの間は松葉づえを突きながらの通勤を余儀なくされ、かなり不自由な思いをした▼思い返すと、最も大変だったのは駅構内の上下移動とトイレ。使っていた地下鉄駅にはエレベーターがなく、エスカレーターも行きたい場所とは反対方向にしかなかった。トイレはどの駅にも洋式がほとんどなく、用を足す...続きを読む
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