論説・コラム

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回転窓/双方納得の価格とは  [2014年12月5日1面]

 学術書を出版する岩波書店は1913年、東京・神田神保町に開いた古書店から出発した。当時の古本屋は価格を明示せず、客との交渉で値段を決めたが、岩波は最初から値段を付けて販売した▼「取引は公正明大にすべきだ」とは創業者・岩波茂雄の言。客の身なりを見て値段を変えるのは商売の道に反するというわけだ。これで客の信頼は得たものの、中には値付けに迷うものもあったらしい▼値段付けに苦労しているのは今の建設業も同じだ。東日本大震災の復興事業や安倍政権による公共事業の拡大で建設需要が急増。技能者不足で労務費の上昇が続く。この先、東京五輪関連工事も加わればどうなるか▼ある準大手ゼネコンの建築担当幹部に労務費の見通しを聞いてみたら、一言「分からない」。「受注した後に契約価格の引き上げを施主に求めるのは苦しい」とも。せめて先々の事業量の見通しが分かれば価格が検討しやすくなるのではという▼建設工事は顧客との信頼関係がなければ進まないだろう。発注者と受注者の双方が納得できる価格をどう決めたらよいのか。岩波ならずとも難しい問題である。

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