論説・コラム

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回転窓/声を聞いてみる  [2014年12月8日1面]

 職業柄、自分の声をあらためて聞くことがある。取材内容をICレコーダーで録音し、それを後で聞くのだが、質問する自分の声が流れると、がっかりする。覇気がなく、声に張りが感じられないのだ▼作家の吉田修一氏が、文学とは何かと聞かれ「人間の声のことではないかと思うことがある」とある雑誌に書いていた。人間の声は千差万別。話し方にもよるだろうが、同じ話をしても、声の高さや声量などで受け取り方が随分変わる▼例えば「大丈夫」という言葉を一つとっても、ある人の声は「俺は大丈夫」という時に説得力があり、別の人の声は「君は大丈夫」という時の方が効果がある場合も▼吉田氏は、文章を書く時はある特定の声の持ち主をイメージし、その人を主人公にした小説を描いてみたい、あの人の声のような力のある小説を書いてみたいと思うというのだ。人の声によって感じることがインスピレーションを刺激し、文章になっていくのかもしれない▼衆院選が後半戦に入った。街頭には候補者たちの声がこだまする。希望を与えてくれる声は果たしてあるか。あと数日、耳を傾けてみたい。

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