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清水建設/トンネル工事の粉じん吸引システム開発/切羽付近、低減率99%実現  [2014年12月8日1面]

切羽直近までダクトを伸ばし粉じんを吸引

 清水建設は、トンネル工事で発生する空気中の粉じんを高い効率で除去できる新システムを開発した。切羽から10メートルの位置に強固なエアカーテンを形成して粉じんを封じ込め、集じん機の吸い込み口を切羽直近まで伸ばして発生源で粉じんを吸引・捕集する。初適用した山梨県内の工事で有効性を確認。切羽10メートル地点の粉じん低減率が約99%(従来システム約13%)となった。現在、同県内の5現場、北海道内の1現場に導入。今後、高性能の換気技術として積極的に提案していく。
 厚生労働省のガイドラインでは、切羽から50メートル地点で粉じん濃度を1立方メートル当たり3ミリグラム以下とする目標値が規定されている。従来の換気システムはこの値は満たせるものの、屋外の新鮮な空気を送る送気管から強く直線的に空気が流れるため、切羽からの汚染空気の風も強くなり、集じん機にすべての粉じんを吸い込むのが難しかった。吸い込めなかった粉じんは、坑内の空気に希釈されて濃度が低下している。
 新開発のシステムは、切羽から10メートル地点の粉じん濃度を3ミリグラム以下に抑制することを目的に開発した。送気管の先端(送気口)に独自形状の「特殊噴出ダクト」を装備。空気の勢いを適度に減衰・拡散させ、トンネル断面全体に均一に流れるようにする。これにより切羽10メートル地点に強固なエアカーテンを形成し、粉じんを封じ込める。掘削の進行に伴い送気口と吸い込み口の位置関係が変わるが、相対距離が30~80メートルであればエアカーテン効果を発揮する。集じん機と吸い込み口をつなぐ管には伸縮性を持たせ、吸い込み口を切羽直近5メートルの位置まで延伸。発生源で粉じんを吸引・捕集することで、拡散を防ぎ、坑内の作業環境を大幅に改善する。
 初適用したのは中日本高速道路会社発注の「中部横断自動車道八之尻トンネル工事」(山梨県市川三郷町~富士川町)。切羽から10メートル地点の粉じん低減率が98・3~99・8%となり、濃度3ミリグラム以下を実現した。実用化に当たり、吸い込み口の先端に粉じん濃度計を装着。濃度に応じて集じん機のファンを自動制御できるようにし、安全性や省エネ性を高めた。伸縮ダクトがリモコン操作で伸び縮みし、集じん機にたまった粉じんは自動かき出し装置で排出するなど、作業員の負担軽減策も講じた。八之尻トンネルを含む中部横断道のトンネル工事5現場と、北海道の1現場の計6現場で新システムを採用。掘削断面のサイズに応じて風速・風量を調整し、エアカーテンが形成できるよう現場ごとに最適なシステムを構築している。

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