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JS、高知大学ら/無ばっ気循環式水処理技術実証施設(高知市)が完成  [2015年3月3日4面]

無ばっ気循環式水処理技術実証施設の完成式典

 ◇消費電力70%削減へ
 日本下水道事業団(JS)などが、高知市小倉町の下知水再生センター内で整備を進めていた「無ばっ気循環式水処理技術」の実証施設(冬季は1日当たり4400立方メートルの処理能力)が完成した。1月28日に稼働を開始し、高知市、高知大学、メタウォーターとの4者による実証実験をスタートさせた。各種データの取得・解析を行い、新技術の処理性能や省エネ、コスト削減効果などを確認する。設計・施工はメタウォーターが担当した。
今回の実証試験は、国土交通省が下水道の低コスト化や省エネに役立つ技術の実用化を支援する「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」の一環。標準活性汚泥法の代替技術として無ばっ気循環式水処理技術を導入し、消費電力の大幅な削減を目指す。
 実証施設は三つの水槽で構成する。1層目は、流入下水中の浮遊物質などを除去する「ろ過槽」。続く2層目では生物処理を行う。微生物が付着した担体に、下水を散水することで、下水中の酸素を取り込んだ微生物が有機物を分解する。処理後の下水も酸素を多く含むため、一部を1、2層目に循環させ、浮遊物や有機物の除去効果を高める。細かいろ材が敷き詰められた3層目では、仕上げのろ過を行う。
 従来の標準活性汚泥法は、生物処理に必要な酸素を供給するため、送風機設備で下水に大量の空気を送り込むばっ気工程が必要だった。今回の実証技術はばっ気の代わりに「散水ろ床法」を導入。散水時に、下水が大気中の酸素を自然に取り込むため送風機が不要で、その分消費電力を低減できる。消費電力の削減目標は、標準活性汚泥法(処理水量1立方メートル当たり0・2キロワット時)と比べて70%減の同0・06キロワット時。
 同技術は、既存の下水処理場への整備が簡単にできることも特徴の一つ。標準活性汚泥法より小さなスペースへの設置が可能で、高さも既存の沈殿池に納まる程度に抑えた。コンパクトさを生かし、既存施設の更新への適用のほか、海外への普及、建築コストの抑制など、さまざまな効果が期待されている。実証試験を進める4者は2月26日、現地で完成式典を開いた。JSの谷戸善彦理事長、高知市の岡崎誠也市長、高知大の脇口宏学長、メタウォーターの木田友康社長が出席し、くす玉を開いて完成を祝った。

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