技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

大成建設、豊橋技科大/バッテリーレスEVの屋外走行に成功/道路からワイヤレス給電  [2016年3月14日1面]

前輪から給電して後輪で駆動する小型EV。屋外走行に成功した

 大成建設と豊橋技術科学大学が、ワイヤレス(無線)給電システムを用いて、バッテリーのない電気自動車(EV)を屋外で走行させることに成功した。高効率で給電できるアスファルト舗装の屋外走行路(延長30メートル)を愛知県豊橋市の同大構内に整備。システムを実装した小型EVが道路から無線で給電しながら走行した。同大大学院の大平孝教授は「バッテリーレスのEVが道路を走ったのはおそらく世界で初めて。EVが移動手段の主流になる時代の幕開けだ」と話している。
 道路に埋め込んだ金属製の電極板から、タイヤ内のスチールベルト、ホイールを介してEV搭載モーターに電力を送り、走行用のエネルギーとして使う仕組み。ゴムなどの絶縁体でも流れる高周波エネルギーを利用する。EVへの充電やバッテリーの搭載・交換をせずに連続走行ができるのが特徴だ。
 両者はトヨタの汎用超小型(1人乗り)EV「COMS」を改良し、システムを導入した。走行用バッテリーは搭載していない。金属板を埋め込んだアスファルト舗装の電化道路は、高周波エネルギーの伝搬効率が高い材料で一般的な道路舗装に近い構造。荷重や振動に対して従来の道路構造と同等の耐久性能を持つという。
 同大構内に長さ30メートル、幅1・5メートルの屋外走行路を整備した。タイヤ直下の位置に、幅40センチのステンレス鋼板を2本の帯状に設置。その上に厚さ10センチのアスファルト舗装を敷設。電化道路の施工性とともにEVの屋外走行性を確認した。
 大平教授は「理論的には走ると分かっていたが、本当に走るかどうか心配だった。ただ走っただけだが、大きな一歩だ」と強調した。
 両者は今後、給電システムやタイヤ集電機構、安全性技術などの開発、電化道路の低コスト化、道路としての基本性能の向上などの課題に取り組む。16~18年に給電出力10キロワット(現5キロワット)・給電効率70%(現30%弱)、19~21年に給電出力100キロワット(普通自動車クラス)・給電効率70%を目標に設定。22年には自動車専用道路での実証実験を目指す。
 同システムはEVのほか、工場や物流施設など屋内で利用する電動カートの搬送システムとしても技術開発が進行中。16~18年に工場搬送システムの実証実験を行い、19~21年には商品化・事業化を視野に入れている。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む