BIMの課題と可能性・116/樋口一希/ダイレクト連携を実現したRebro・1

2016年6月16日 トップニュース

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 5月30日に新版2016へとバージョンアップし、BIMソフト「Revit」(オートデスク)の建築・設備モデルとのダイレクト連携(レブロリンク)も実現した建築専用3次元CAD「Rebro(レブロ)」(NYKシステムズ)とBIMとのデジタル連携の「現在」を3回に分けて報告する。


 □BIMソフトとの連携を視野に入れBIMデータ(パーツ)提供を本格化するソフトベンダー□


 前回、LIXILが「LIXILビジネス向けサイト(biz-lixil.com/)」においてBIMソフト「Revit」専用のBIMデータ(パーツ)のオンライン提供を開始したと報告した。同様の動きは、BIMとの連携を進めるソフトベンダーにも広がりを見せており、端緒としてNYKシステムズ「Rebro(レブロ)」のケースから紹介する。

 NYKシステムズのサイトにアクセスし、上部メニューから〔ダウンロード〕をクリックすると当該ページヘと遷移する。現在、ユーザー部材、ライブラリ、TOTO、LIXIL、レブロユーザー提供部材が利用できる。一例としてライブラリの弁装置では、二方・三方弁装置、蒸気トラップ装置などが提供されている。

 (http://www.nyk-systems.co.jp/)


 □設計工程間で発生する時間差(タイムラグ)=課題をシームレスに解消するBIMによる挑戦□


 建築の設計工程全般を俯瞰すると、空調・衛生・電気の設備設計は、工程上流に位置する意匠設計における躯体など建物本体が規定された後に(並行・重複的にも)実行される。そのため躯体部分の変更があると、設備設計に波及し、変更の二度手間・手戻りが発生するとの課題が潜在している。

 このように異なる設計工程間で発生する時間差(タイムラグ)=課題は、2次元CADの普及が完了した後も、根本的に解消されることはなかった。そこで期待されているのが、BIMによる統合的な3次元建物モデルを用いた工程前倒し=フロントローディングであり、究極的には、設計工程間のシームレスな連携による時間差(タイムラグ)=課題の解消などの設計工程全般の革新だ。そのためには意匠系BIMと設備系の3次元CADとの高次元での連携が必須となる。


 □優れた3次元モデリング機能を有する建築専用3次元CADだからこそ可能なBIMとの連携□


 建築専用3次元CAD「Rebro(レブロ)」は、空調・衛生・電気設備の設計実務を支援するシステムで、統合された3次元建物モデルから必要に応じて、平面図や断面図、詳細図、衛生図面、空調図面、スリーブ図などの各種図面を生成できる。3次元建物モデルと各種図面は連動しており、各種図面上で実行された加筆修正や変更は、瞬時に3次元建物モデルにも相互的に反映され画面上で視認できる。

 BIM以前から、空調・衛生・電気の設備部材の受け皿となる3次元建物モデルを生成する優れた3次元モデリング機能を装備していた「Rebro(レブロ)」だからこそ実現したBIMとのデジタル連携だ。

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)