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JAPIC国土創生委/真に必要なインフラ整備実行求め提言/国際競争力強化など  [2016年7月8日1面]

会見する大石委員長〈左〉と石田委員長=7日、東京都内で

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の国土委員会(大石久和委員長)に設置された「国土創生プロジェクト委員会」(石田東生委員長)は6日、内需の拡大を促す真に必要なインフラ整備の実行を求める提言を発表した。国際競争力の強化、地方の再生、防災・予防保全、東京の未来の四つの提言それぞれに求められるプロジェクトを列挙。大石委員長は、実現に向けて新しい検討組織の設置や、関係省庁との連携に意欲を見せた。
 提言のタイトルは「世界一素晴らしい国を目指し、ソフト・ハードのインフラに磨きをかける」。デフレからの脱却、持続的な経済成長の下支え、次世代の安全・安心の確保が狙い。経済成長の鈍化や、主要先進国の中で低い水準にあるインフラ整備の現状を問題に挙げ、「真に必要なハード・ソフトのインフラ投資」の着実な実行を求めた。
 提言は、地方の成長、競争力強化、インフラ・技術の輸出などの視点で、▽1=アジアと連携しながら世界の成長をけん引する日本、国際的な立地競争力を持った日本へ変革▽2=成長の原動力となる地域、若者・夫婦・高齢者が活躍できる地方の再生▽3=安全で安心な暮らしを守るための事前防災・予防保全▽4=アジアナンバー1東京の未来構想-の四つを挙げた。
 それぞれに必要な取り組みとプロジェクトを盛り込み、鉄道や道路については、リニア新幹線の大阪延伸と整備新幹線の整備の加速、新東名・新名神高速道路の6車線化、第2湾岸道路の整備、東京湾アクアラインの6車線化などを求めた。東京の未来構想は、「地方に環流」も意識し、特区制度などを生かした「アジアプロジェクトセンター」の実現などを盛り込んだ。
 東京都内で記者会見した大石委員長は「何をやることで便利に、安全になるかを示し、賛同を得たい」と意欲を見せた。提言の実現に当たっては、建設国債への理解と数字による効果の説明が必要との見解を示した。石田委員長は「先進国は競争力強化のため活発に投資している」と訴えた。
 委員会がまとめた提言の骨子とインフラ関連の主なプロジェクトは次の通り。
 □骨子□
 【提言1】
 ▽船舶大型化、航路増大に対応した戦略拠点整備、港湾再配置
 ▽クルーズ船専用拠点への重点投資
 ▽首都圏空港の早期整備
 ▽グローバル拠点の結節によるネットワーク強化
 ▽高速道路の賢い道路化
 ▽財投債を使った新しいインフラ整備
 【提言2】
 ▽子どもの安全を守るやさしい空間整備
 ▽多様な交通が移動する空間としての幹線道路形成
 ▽地域を相互補完し合う施設、サービスのネットワーク強化
 ▽モビリティの可動性の追求(モーダルコア)
 【提言3】
 ▽事前防災の積極導入
 ▽河川施設の強化
 ▽事前津波対策の強化
 ▽富士山噴火の被害状況把握に向けた観測体制の整備
 ▽民間活力を活用した公共資産マネジメントの実践
 【提言4】
 ▽アジアプロジェクトセンターの早期実現
 ▽東京未来都市構想(新たな都市モデルの検討)
 ▽首都圏高規格道路の見直し。
 □主なプロジェクト□
 【アジアと連携しながら世界の成長をけん引する日本、国際的な立地競争力を持った日本へ変革】
 ▽水深18メートル岸壁を備え24時間稼働できる超国際水準のコンテナ港湾整備の再検討
 ▽水深14メートル(穀物・石炭)~23メートル(鉄鉱石)岸壁を備えた国際バルク戦略港湾の整備
 ▽北米・北極海航路増大に伴う伏木富山港、青森港などへの重点投資
 ▽クルーズ船大型化に対応した水深12メートル岸壁、ターミナルの整備
 ▽羽田空港、成田空港の滑走路増設、ターミナル再編の前倒し
 ▽高速道路のミッシングリンク(未連結区間)の早期解消
 ▽空港・港湾と高速道路・鉄道との結節点の強化、マルチモーダル交通体系の構築
 ▽新東名・新名神高速道路の6車線化、暫定2車線区間の4車線化の早期実施と本来設計速度での運用
 ▽増設走行レーンの自動運転対応
 ▽リニア新幹線の大阪延伸、整備新幹線の整備加速
 【成長の原動力となる地域、若者・夫婦・高齢者が活躍できる地方の再生】
 ▽自動運転やICTと連携した子どもを交通事故から守る道路空間の整備
 ▽歩行者や小型モビリティを優先する道路環境の整備
 ▽都市内の自転車走行空間の整備
 ▽バイパス化による生活空間への通過交通の排除
 ▽自動車専用道路化している幹線道路の住民、観光客への回帰(歩道設置、質的改良)
 ▽自転車道、歩道、休憩施設などの整備
 ▽公共施設の再配置、空き家・空き公共施設を再利用する民間の取り組み拡大
 ▽公共交通の刷新
 ▽大きなモーダル拠点の整備(リニア新幹線や新幹線と高速道路の直結、空港と高速道路の直結など)
 ▽小さなモーダル拠点の整備(ローカルな交通結節点の整備、地域防災拠点としての活用)
 【安全で安心な暮らしを守るための事前防災・予防保全】
 ▽災害時の非常時モードの構築
 ▽耐災害信頼性を加味した交通ネットワーク総点検
 ▽災害時に活用できる公共空間の確保(電線地中化、広場の確保)
 ▽降雨確率の見直しによる堤防の強化、河川施設の耐震化
 ▽「命の道」の整備、防災拠点機能の整備
 ▽富士山噴火のシナリオ設定と復興ベンチマーク設定
 ▽ICTを活用したインフラ・スマート・メンテナンスの推進
 ▽公共資産のアセットマネジメントの推進
 ▽PPP、PFI事業の推進
 【アジアナンバー1東京の未来構想】
 ▽特区を活用した国際ビジネスセンターの整備、国際メディカルセンターの構築、国際会議・展示会・見本市の開催など
 ▽東京臨海部の再構築(羽田空港拡張と東京港縮小による新しい土地活用)
 ▽水素タウンの整備
 ▽首都圏環状新幹線の整備
 ▽首都圏3環状道路、首都圏内環状道路、北関東道・中部横断道を活用した広域5環状道路の整備
 ▽第2湾岸道路の整備、東京湾アクアラインの6車線化
 ▽東京都心からの放射状に伸びる高規格道路、幹線道路の耐震化、質的向上。

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