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宮城県/浦戸諸島の防潮堤高さ縮小、一部区間で2メートルに/住民説明会で整備方針  [2016年8月9日6面]

野々島の防潮堤建設予定地

説明会には4島の住民約40人が参加した

 ◇県と塩釜市、近く修正設計委託/16年度内に工事発注へ
 宮城県は東日本大震災の津波で被害が出た塩釜市の浦戸諸島(桂島、野々島、朴島、寒風沢島)に設ける一部の防潮堤の計画高さを1・2メートル縮小する方針を固めた。8日に野々島の浦戸諸島開発総合センターで開いた「浦戸諸島における防潮堤の整備方針等に係る説明会」で明らかにした。4島に設ける総延長9・9キロの堤防のうち、想定される津波高さが比較的低い内湾側の総延長1・8キロについて、堤防の高さをTP2・1メートルに引き下げることにした。会合で住民らの賛同が得られたことから、県や市は近く修正設計を委託。本年度内に一部の工事を発注する。
 県や塩釜市が今回堤防の高さを下げる方針を決めたのは、桂島の桂島漁港と同島の石浜・梅浜両海岸、野々島の野々島漁港と同島の平和田海岸の合計5カ所。
 五つの漁港と海岸には、過去のチリ地震津波の被害規模を基準に、TP3・3メートルの防潮堤を巡らせる計画だったが、東北大学や東北学院大学の研究グループらによるシミュレーションの結果、TP2・1メートルの堤防で津波被害を食い止められることが分かったという。
 県や塩釜市は今後、堤防の高さを修正する設計を委託し、本年度内に一部の工事を発注することにしている。
 浦戸諸島は日本三景松島の付近に位置する四つの離島。東日本大震災の被害を踏まえ、4島の内外沿岸に高さ3・3~4・3メートルの規模の堤防を設けることとしている。
 一方、一部の地域住民らは、景観保護などの観点から防潮堤の高さは2・3メートルで十分と反発し、県と住民の意見が分かれていた。
 あらためて測量や調査、シミュレーションなどを行った結果、内陸に面した5カ所の堤防の規模を縮小しても災害に備えられると判断。今回県が一部の堤防高さを下げる方針を説明し、地域住民からは「大賛成だ」などの声が挙がった。
 計画高さを変更する区間を除き、すでに各島で堤防整備の工事が進められている。県や塩釜市は20年度までに離島の堤防整備を終えたい考えだ。
 宮城県は震災後、3・11の大津波による甚大な被害を教訓とし、野々島を含む松島湾に設ける堤防高さを4・3メートルと設定した。その後、太平洋(外洋)側と内湾側に分けてさらに検討した結果、野々島漁港がある内湾の防潮堤は高さを1メートル下げても問題がないことが分かり、3・3メートルの堤防を整備するよう計画を修正していた。
 会合で、宮城県土木部河川課の茂泉博史課長は「(堤防の計画高さは)必ずしも皆さんの要望通りにはなっていないが、少しでも復興を前に進めたいという気持ちで説明会を開いた」と語った。

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