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信州大学、アジア航測ら/スマート精密林業確立へコンソーシアム/研究開発プロ始動  [2016年12月9日3面]

松本市で開かれたキックオフシンポジウム

 航空機やドローン(小型無人機)、バックパックに搭載したレーザーセンシング(LS)機器を駆使し、森林の生育状況の把握や伐採計画の立案作業、木材生産の省力化を図る「スマート精密林業」の確立に向けた研究開発プロジェクトが長野県で始まった。研究母体は産学で組織するコンソーシアム。18年度をめどに開発を目指す。
 信州大学、北信州森林組合、アジア航測の3者が「LSによるスマート精密林業コンソーシアム」を作り、コマツが協力。農林水産省と農業・食品産業技術総合研究機構の「革新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェクト)」の一環として研究開発を進める。
 木材の利用促進に向けては、どこで何をどのくらい伐採すればよいか、判断材料となる正確な森林資源情報が乏しいとされる。現地調査もコストが大きい割には得られる情報の精度が低く、適切な事業計画を立案できないと指摘する地方自治体が多い。
 こうした課題の解決に向けて、同コンソーシアムは最新のLS技術を活用し、森林管理・供給を最適化・省力化、コストの大幅削減、生産量向上による木材生産の安定供給を図る仕組みの構築を目指す。信州大学の主催で8日に長野県松本市でプロジェクトの取り組みを説明するキックオフシンポジウムを開いた=写真。
 スマート精密林業は、航空機に搭載したLS機器で高精度の森林資源情報を収集し、生育状況などを把握。よりエリアを絞り込んだ上で、LS機器を搭載したドローンで木の種類や高さ、体積を計測・解析し、伐採の量や範囲などを決定。収穫後はLS機器を搭載したバックパックを背負った作業員が地上調査を行い、伐採した体積と解析データを比較・検証する。
 航空機で得られた計測データ、ドローンによる計測データは急傾斜地を避けた伐採用の林道整備計画や適切な事業計画の立案などにも生かされる。最終的には計測データを活用し、コマツのグループ会社が保有する機械で自動で伐採する計画だ。
 長野県で始動する研究では、LSによる計測・情報収集技術のうち、航空機による高精度の森林資源情報(対象は500ヘクタール)はアジア航測、ドローンによる森林調査と地上収穫調査は信州大学(対象は10ヘクタール)が担当。現場の運用システムはアジア航測、北信州森林組合(長野県中野市、飯山市、山ノ内町、木島平村、野沢温泉村)が開発を手掛ける。
 この取り組みにより、長野県は同県北部地域での木材販売量を現在の5・5万立方メートルから10万立方メートルに増やす計画だ。

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