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国交省/建設業の構造問題、対策着実に進ちょく/「速やかに」はすべて実施  [2017年1月11日1面]

 基礎杭の施工データ流用問題を受け、国土交通省の有識者委員会が16年6月に取りまとめた建設業の構造的課題に関する対応策のうち、「速やかに実施」とされた施策がすべて実施された。「引き続き検討」とされた事項は、10月に設置した有識者会議「建設産業政策会議」に議論の場を移し、今月下旬からワーキンググループ(WG)で具体化に向けた検討に入る。
 杭問題に関する対策委員会(深尾精一委員長)が提言した構造的課題について、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会(大森文彦委員長)が業界の将来像も見据え対応策を審議。昨年6月に中間取りまとめを公表した。
 国交省は提示された取り組み・対応策を、▽速やかに実施▽順次実施▽導入に向けて具体的内容を検討▽引き続き検討を継続-の4段階に整理。うち速やかに実施の5項目が昨年末までにすべて実行された。
 具体的には、昨年7月に民間建設工事の適切な品質を確保するための指針(民間工事指針)、10月に実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除するための一括下請負の判断基準を策定。12月には監理技術者制度運用マニュアルを改定し、元請と下請の技術者の役割を明確化するとともに、大規模工事で監理技術者の補佐的役割を担う技術者の配置を推奨することも盛り込んだ。マンション管理適正化法に基づきデベロッパーから管理組合に交付される11種類の図書の内容を明確化し、昨年末に関係業界団体に周知した。
 人と企業が共に成長する好循環を生む「人材投資成長産業」の実現に向けた施策は順次実施とされた。建設キャリアアップシステムの構築や社会保険未加入対策の強化、施工時期の平準化など担い手の確保育成策を推進。建設業法に基づく施工管理技術検定の2級学科試験を17年度から年2回にし、受験機会を増やす。
 引き続き検討とした事項は、建設産業政策会議(石原邦夫座長)に今月下旬から順次立ち上げるWGで議論。地域の中小建設企業の合併や事業譲渡などが円滑に進む環境整備や経営業務管理責任者要件のあり方などの事項を▽法制度・許可▽企業評価▽地域建設業-の3WGに振り分ける。
 技術者の適正配置については、「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(小澤一雅座長)に議論の場を移す。
 中建審・社整審基本問題小委員会の中間取りまとめで提示された主な検討事項と対応策は次の通り。
 【建設生産システムの適正化】
 ■施工体制における監理技術者等の役割の明確化=元請と下請それぞれの技術者が担う役割を明確化(12月19日に「監理技術者制度運用マニュアル」改定)
 ■技術者の適正な配置のあり方=現行の請負金額一律の基準に金額以外の他の要素を盛り込む(技術者制度検討会で引き続き検討)
 ■実質的に施工に携わらない企業の施工体制からの排除=一括下請負の禁止を徹底するため判断基準を明確化(10月14日に通知)
 ■民間工事における発注者・元請等に請負契約の適正化=施工上のリスクに関する基本的考え方や協議項目等に関する基本的枠組みについて指針を新たに策定(7月14日に策定)
 【建設生産を支える技術者や担い手の確保・育成】
 ■技術と管理能力に優れた技術者の確保・育成と活躍=受験機会の拡大に向けた技術検定制度の見直し(12月13日に2級学科試験の年2回化を公表)
 ■大量離職時代に向けた中長期的な技能労働者の確保・育成=人と企業が共に成長する好循環を生む「人材投資成長産業」の実現に向けた総合的な施策の展開(建設キャリアアップシステムの構築、社会保険未加入対策の強化、施工時期の平準化など)
 【建設企業の持続的な活動が図られる環境整備】
 ■地域の中小建設企業の合併や事業譲渡等が円滑になされる環境整備=合併時の建設業許可や経営事項審査(経審)の手続きを迅速化・簡素化し、空白期間の短縮や手続き上の負担軽減、廃業する企業の技術者の新会社への円滑な移行に向けた経審の特例の導入(建設産業政策会議で引き続き検討)
 ■経営業務管理責任者要件のあり方=企業全体の経営に占める建設業経営の影響度や経営の規模・安定性の観点から検討(建設産業政策会議で引き続き検討)。

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