技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

鴻池組/京都市で歴史的建造物の曳家工事公開/1912年完成のレンガ建物元の位置に  [2017年3月13日10面]

曳家工事全景

慎重に進められている作業

元に定着された流出弁室

 鴻池組は10日、京都市上下水道局が発注した「蹴上浄水場第1高区配水池改良工事」(施工=鴻池組・今井組・城産組特定JV)で行っている曳家工事を公開した。築100年以上が経過した現施設の外観を保存しながら配水池内部の改築を行うため、15年夏から一時的に移設させていた2棟の歴史的建造物を元の位置に復旧する工事で、建造物に影響を与えないよう細心の注意を払いながら作業を進めている。
 工事は、1912年に完成し、現在も稼働している蹴上浄水場第1高区配水池の機能維持・向上と耐震化を図る。07年に近代化産業遺産の認定を受けており、れんが造りの外壁などを保存したまま、内部に新たな配水池を築造する必要があったため、工事の支障となる北側の流入弁室上屋と南側の流出弁室上屋を曳家によって一時的に移設することにした。場所は東山区粟田口華頂町3、工期15年12月11日~17年6月30日。
 今回、同社が公開した流入弁室の曳家工事は、重さ約600トンの弁室上屋を仮置き場所から東側に約15メートル移動させた後、北側に約2メートル、下側に約2メートル動かして元の位置に復旧するもので、東側への移動は9~10日の2日間、北側への移動は23日の1日を予定。作業2日目となった当日は、1時間に1メートル程度の速さで4基の推進ジャッキを動かす中、作業員らがコロ棒や油圧ジャッキの状態などに細心の注意を払いながら慎重に作業を進めていた。
 流出弁室(約500トン)は、配水池築造後の今年2月8日から復旧に着手。まず斜曳きで8メートル西側に動かした後、16~17日で北側へ約15メートル平曳きし、元の位置へ移設。その後、約2メートルかさ下げし、上屋を定着させたが、いずれの曳家工事でも「弁室地下の通路や配管・設備スペースを保護するため、空間内に構台を設けるとともに、覆工板を敷いて開口部をなくすことで安全を確保している」(北村徹二鴻池組JV所長)。
 現在の進ちょくは約95%。今後は流入弁室を元の位置まで曳き戻す作業を行った後、5日程度かけて約2メートルかさ下げし、定着作業を実施。その後は流入管・流出管の配管や弁室内部の仕上げなどを残すのみとなるが、北村所長は「構台撤去や配管など、引き続き慎重な作業が求められる。事前の計画図作成や作業員とのコミュニケーションを徹底することで安全に万全を期したい。最後まで気を緩めず、無事故無災害で工事を終えたい」と話している。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む