論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

ヘッドハンティング市場/建設会社の人材ニーズ多様化/受注内容に応じた依頼増加  [2017年5月18日1面]

 顧客の求めに応じて業界内企業などから人材を探して転職を促すヘッドハンティング市場で、建設会社の人材ニーズが多様化している。数年前までは、現場で施工管理を担う技術者の依頼が大半だったが、受注工事の内容に応じて求める人材も変化。設備工事の専門会社が建築の技術者を求めたり、施工管理以外に積算や購買の専門人材を求めたりするケースも。従来はほとんど無かった中小の地域建設会社からの依頼も増えているという。
 厚生労働省が4月末に発表した3月の有効求人倍率で建築・土木・測量技術者は4・96倍などと高水準。転職市場では、企業のニーズにかなう優秀な人材を求職者だけから確保するのが難しくなっている。特に受注好調で多くの工事を抱える大手建設会社などでは採用人数が計画に追い付かず、縁故や紹介による採用も厳しい状況とされる。
 そうした中、企業のニーズに応じて必要な人材を独自のルートやノウハウで探して転職を働き掛けるヘッドハンティング専門会社には建設会社からの依頼が増えている。一昨年、建設業に特化した専門チームを設けたヘッドハンティング会社のプロフェッショナルバンク(東京都千代田区)によると、建設会社からは最近、依頼の増加に加え、要求される人材が多様化する傾向もあるという。
 従来は、ゼネコンの現場で施工管理を担う現場代理人や監理技術者として働く人材の依頼が主流だった。優秀な現場技術者をどれだけ確保できるかが受注を大きく左右するからだ。これに加え、最近増えているのが、例えば設備工事の専門会社からの依頼。従来は元請ゼネコンの下請として工事を受注することが多かったが、一式請負に対応するため、電気設備主体の会社が空調設備や建築の技術者を求めるケースが増えているという。
 工場で生産設備と建屋がセットで発注されたり、ビルのリニューアル需要が高まったりしていることが背景にあるとされる。しかも、施工管理だけでなく、設計、積算、品質管理、購買、工事計画などの分野にも人材の要求が広がっている。太陽光発電の工事で敷地の造成とパネルの据え付けを一括で請け負うケースが増え、ゼネコンが電気に詳しい技術者を要求してくることもある。同社の呑田好和取締役は「数年前までは依頼されることがなかった人材を求められることが多くなった」と話す。
 依頼主も拡大している。従来はほとんどなかった公共工事を主力とする従業員20~30人規模の地域の中小建設会社が、受注が好調で抱える人材だけでは対応し切れなくなったとして依頼してくることがあるという。「3年前までは考えられなかった」と呑田取締役。ハローワークや人材紹介など従来の求人方法では、公共工事を担える優秀な技術者の推薦が少ないことが理由にあるようだ。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む