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鹿島/シールド工事でヒ素汚染土壌の連続浄化に成功/鉄粉洗浄磁気分離技術を導入  [2017年6月1日3面]

茨城県内の泥水式シールド工事で構築した汚染泥水の処理フロー

 鹿島は5月31日、2013年にMSエンジニアリング(大阪市大正区、仁木丈文社長)と共同開発したヒ素など重金属に汚染された土壌を現場で鉄粉を使って磁気分離処理して浄化する技術「M(エム)・トロン」を茨城県内の泥水式シールド工事に適用し、ヒ素汚染泥水の連続浄化に成功したと発表した。この実績などを基に、汚染泥水の発生量が膨大な大断面シールド工事でもその能力を維持し、連続浄化を可能にする処理フローを確立した。
 今回の現場では、外径2・4メートルのシールドマシンを導入。自然由来のヒ素を含んだ泥水の浄化処理にM・トロンを適用した。1時間当たり、60~70立方メートルの汚染泥水を連続して処理した結果、7日間にわたる全期間のヒ素濃度が環境基準値を下回り、十分な連続浄化性能が確認できたという。
 大断面シールド工事では、汚染泥水が発生する量も膨大となる。M・トロンを適用してすべてを浄化するには大規模な設備が必要となり、大幅なコストの増加が懸念されていた。
 そこで、今回の工事での適用実績と工場跡地での浄化実績から得た知見を基に、分級後の水洗浄の室内試験を行い、大断面シールド工事での浄化処理のフローを確立した。
 分級段階で抽出される砂分は水洗浄で浄化。分級で残った細粒分を含む余剰泥水のみをM・トロンで浄化することにより、設備コストを抑えた浄化処理が可能になるという。
 2010年の土壌汚染対策法改正により、環境基準値を超過する自然由来の重金属含有土も法律の適用範囲となった。シールド工事では大断面化や施工の高速化が進み、重金属を含む地盤を掘削する場合は、発生する大量の汚染土壌の処理にもスピードが要求され、処理コストの増大や受け入れ先の不足が課題となっている。
 M・トロンは、従来技術の分級洗浄との組み合わせにより、工場跡地の土壌浄化の実績が評価され、エンジニアリング協会の16年度「エンジニアリング功労者賞(環境貢献)」を、シールド工事のヒ素汚染土壌の連続浄化の実績も併せて16年度「土木学会賞環境省」をそれぞれ受賞している。

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