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ImPACT/災害対応の重作業ロボ開発/二重旋回・複腕機構採用、適用範囲を拡大  [2017年6月20日3面]

開発した二重旋回・複腕ロボット

 内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のプロジェクトチームは19日、災害現場向けの重作業ロボットを開発したと発表した。市販の油圧ショベルをベースに、左右2本の腕と肩の旋回部を同軸上に重ねた「二重旋回・複腕機構」を採用。掘削や物をつかむなど作業に応じて片腕ずつモードを切り替えることができ、多様で複雑な災害現場で柔軟な作業を実現する。
 ImPACTの研究開発課題は「災害対応建設ロボットの開発」。責任者は大須賀公一大阪大大学院工学研究科教授、プログラム・マネジャーは田所諭東北大大学院情報科学研究科教授が務め、吉灘裕大阪大大学院工学研究科特任教授、鈴森康一東工大工学院教授らが参加している。研究期間は14~18年度。
 複数の腕を持つ重機はこれまでも開発事例があるが、今回開発したロボットは、ロボットの重心付近で両腕を支持するため、ロボットの安定性が高いのが特徴だ。同軸上に配置されたそれぞれの腕が360度回転するため、右手・左手の区別はなく、両手のレイアウトを自由に変更できる。
 独自の4本指ハンドを開発し、片方の腕に装着。主に砂利などを扱う「バケットモード」と4本指で対象物を扱う「ハンドモード」に切り替えることができる。急傾斜地や凹凸の激しい現場で、片腕で立ち木や地面の固定物をつかんでロボットを安定化させ、もう片方の腕でハンドリング作業を行うことが可能という。
 このほど、研究開発の最終コンセプトである二重旋回・複腕機構を採用したロボットのプロトタイプが完成し、災害現場を模擬した評価試験フィールドで実証試験を開始した。
 今後、遠隔操作を高度化するための技術など、要素技術の機能・性能を向上させて順次搭載する。操作する関節数の多い複腕ロボットを容易に操縦できる遠隔操作システムの開発も進めていく。田所プログラム・マネジャーは「今後の改良、要素技術との統合、限界性能試験により、数年後の現場適用、実用化を目指す」としている。
 土砂崩れや建物の倒壊など災害対応作業には、建機が投入されるケースが多い。中でも油圧ショベルは災害現場での中心的な役割を担うが、急勾配の斜面や大きな段差のある災害現場へのアクセスの能力が十分ではないため、従来の建機に代わるロボットの開発に期待が寄せられている。

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