人事・訃報
新社長/飛島建設・乘京正弘氏/技術ベースに事業分野拡大 [2017年6月26日1面]
責任者として策定に関わった新中期3カ年計画が4月にスタートした。株主総会がある6月29日の社長就任が予定されており、「先頭に立って新中期計画を推進するのが一番の使命」と意気込む。請負を主体とする従来型の建設業から脱却し、自ら顧客に提案してサービスを提供できる企業への変革を目指す。
--市場動向をどう見る。
「前の3カ年計画の期間中は、経営環境が好転したこともあり、初年度で数値目標を達成できた。利益が出る体質と構造が出来上がったと思っている。しかし、この好況も2020年ぐらいまでではないか。20年以降は、建設投資は横ばいないしは減少、内容も新設から維持更新へとシフトしていくだろう。公共事業も、民間の資金力やノウハウを生かす形での発注が増えていくだろう。そうした変化に対応できるよう、会社の体質ももっと変えていかなければならない」
--体質変革の方向性は。
「基盤事業の土木、建築の収益構造を変える。土木は当然、公共事業が中心で官公庁の仕事に偏っている。将来的に従来型の公共事業が減っていくことを考えると、電力会社や鉄道会社などを含めた民間土木をもっと増やさなければバランスが取れなくなる。同様にマンション事業に偏っている建築も、非住宅系を増やし、顧客層の拡大を図る」
--新事業の展開は。
「全く新しいことに取り組むのではなく、これまでの土木と建築で培ってきたノウハウを生かせる分野に注力する。土木は維持更新。これまでは一つの案件の規模が小さく、技術は持っているが、実際に取り組む案件が少なかった。今後は将来の糧にするという視点を持ちながら、実際の仕事にも積極的に取り組んでいく。建築は防災という切り口で展開していく。トグル制震技術に代表されるように免震・制震技術は持っている。それらを設計に織り込んだ設計施工案件を増やし、防災技術を発展させる」
「多角化という視点でも積極的に事業展開する。例えば、これも自社の保有技術がベースになるが、丸太杭打設。これまでは地震時の液状化対策としての活用が中心だったが、軟弱地盤の改良にも有効で、木に炭素を取り込むカーボンストックという環境面での効果も認められている。防災技術と環境技術を合わせたブランドを前面に出して事業分野を広げていく」
--目指す会社像は。
「この会社で仕事をしたということが良い思い出として人生の一ページに刻まれるようにしたい。そしてその背中を見た子どもが、お父さん、お母さんのようになりたいと思うことが代々続くような会社にするのが目標だ」。(6月29日就任予定)
(のりきょう・まさひろ)80年京大大学院工学研究科交通土木工学修士課程修了、飛島建設入社。14年取締役兼常務執行役員建設事業本部長、15年同兼専務執行役員土木事業本部長、16年同兼執行役員副社長。大阪府出身、61歳。「仕事のベースは健康とコミュニケーション」と、どんな時も自ら積極的に人と接することを心掛けている。
--市場動向をどう見る。
「前の3カ年計画の期間中は、経営環境が好転したこともあり、初年度で数値目標を達成できた。利益が出る体質と構造が出来上がったと思っている。しかし、この好況も2020年ぐらいまでではないか。20年以降は、建設投資は横ばいないしは減少、内容も新設から維持更新へとシフトしていくだろう。公共事業も、民間の資金力やノウハウを生かす形での発注が増えていくだろう。そうした変化に対応できるよう、会社の体質ももっと変えていかなければならない」
--体質変革の方向性は。
「基盤事業の土木、建築の収益構造を変える。土木は当然、公共事業が中心で官公庁の仕事に偏っている。将来的に従来型の公共事業が減っていくことを考えると、電力会社や鉄道会社などを含めた民間土木をもっと増やさなければバランスが取れなくなる。同様にマンション事業に偏っている建築も、非住宅系を増やし、顧客層の拡大を図る」
--新事業の展開は。
「全く新しいことに取り組むのではなく、これまでの土木と建築で培ってきたノウハウを生かせる分野に注力する。土木は維持更新。これまでは一つの案件の規模が小さく、技術は持っているが、実際に取り組む案件が少なかった。今後は将来の糧にするという視点を持ちながら、実際の仕事にも積極的に取り組んでいく。建築は防災という切り口で展開していく。トグル制震技術に代表されるように免震・制震技術は持っている。それらを設計に織り込んだ設計施工案件を増やし、防災技術を発展させる」
「多角化という視点でも積極的に事業展開する。例えば、これも自社の保有技術がベースになるが、丸太杭打設。これまでは地震時の液状化対策としての活用が中心だったが、軟弱地盤の改良にも有効で、木に炭素を取り込むカーボンストックという環境面での効果も認められている。防災技術と環境技術を合わせたブランドを前面に出して事業分野を広げていく」
--目指す会社像は。
「この会社で仕事をしたということが良い思い出として人生の一ページに刻まれるようにしたい。そしてその背中を見た子どもが、お父さん、お母さんのようになりたいと思うことが代々続くような会社にするのが目標だ」。(6月29日就任予定)
(のりきょう・まさひろ)80年京大大学院工学研究科交通土木工学修士課程修了、飛島建設入社。14年取締役兼常務執行役員建設事業本部長、15年同兼専務執行役員土木事業本部長、16年同兼執行役員副社長。大阪府出身、61歳。「仕事のベースは健康とコミュニケーション」と、どんな時も自ら積極的に人と接することを心掛けている。
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