BIMのその先を目指して・3/樋口一希/都市ビッグデータとAIの活用・1

2017年7月18日 トップニュース

文字サイズ

 NTTと日建設計総合研究所(NSRI、東京都千代田区)が都市の多種多様なビッグデータをエリアマネジメントに活かすため、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて共同研究しているエリア情報活用プラットフォーム「AI×AI(アイアイ)(仮称)」※1について報告する。


 □日本橋室町地区においてIoT+都市ビッグデータ+AIの利活用を目指した共同実験を開始□


 BIMの進展に象徴されるように建築のデジタル化は加速度的に進行、Connected Building+Internet of Things+Internet of Buildingsへの指向を通じて建物同士も通信し合っている。連載「BIMのその先を目指して」開始に際して論考したように、私たちはスマホなどデジタル機器を用いて人類史上初めてVirtualize=仮想空間上に街を創り始めたのかもしれない。インターネットをベースにしたデジタルマーケティングも活況を呈している。都市を魅力的に演出し、建物の付加価値を上げるため、SNSを用いたビッグデータを活用するデータドリブンなマーケティングも自明となるだろう。

 三井不動産では、両社と協働し、プラットフォーム実現のため実証実験に向けた事前調査を行い、複数分野でのエリアマネジメント最適化の可能性を確認した。日本橋室町地区において、プラットフォームを実際の計画・マネジメントに活かすための実証実験を行う予定だ。

 「AI×AI」は、NSRIの都市開発に関わる計画・マネジメントへの知見とNTTのデータ収集・解析への知見を組み合せて、都市開発・エリアマネジメントに対して最適なソリューションを提供することを目指している。


 □都市空間計画とデータ解析技術の融合によって多様な課題への最適なソリューション提供□


 Human-centered(ヒト中心)というコンセプトに基づき、ユーザーにとっての快適さや使いやすさという視点を重視しつつ、都市開発・エリアの計画、維持管理に関する活動を効率化するアルゴリズムを構築する。収集されたビッグデータ(IoTデータ、エネルギー関連データなど)は、NTTグループのAI技術「corevo(R)」※2を用いて処理し、コミュニティ、交通、エネルギーなどの課題に応じた最適なソリューションへと導く。

 日本橋室町地区への「AI×AI」の適用を普遍化することで、空港やターミナル駅、スタジアムなどの大規模施設へも展開可能と考えられる。NSRI、NTTでは、「AI×AI」の更なる展開を目指して共同研究を行っている。

 ※1:AI(Area Information platform)by using AI(Artificial Intelligence)

 ※2:corevoは、NTTグループのAI技術の新ブランド。コラボレーションで革新を起こす「co-revolution」の意味を込めた造語。

 (出典:NTTニュースリリース、6月15日発行)

 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)