BIMのその先を目指して・15/樋口一希/サッシ商品のBIMモデル提供

2017年8月31日 トップニュース

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 独立系の建築設計事務所、フリーダムアーキテクツデザインでは、LIXILの全面協力を受けて作成したサッシ商品のBIMモデル、LIXIL「サーモスL」を、フリーダムアーキテクツデザインが参画する「建築知識研究所※」において一般提供している。
 ※https://freedomlab.jp/

 □無料で一般公開されたBIM確認申請テンプレートにも対応可能なサッシ商品のBIMモデル□

 両社が共同制作したサッシ商品のBIMモデルは、オートデスクのBIMソフト「Autodesk Revit」に対応したもので、オートデスクが運営する「Autodesk App Store」(オートデスク・アップ・ストア、https://apps.autodesk.com/ja)から5月31日付で無料にて一般公開されたBIM確認申請テンプレートにも対応可能となっている。
 〈サッシ商品BIMモデルの主な特徴〉
 ・LIXIL「サーモスL」の商品データを反映
 ・設計段階によって4種類の図面表現を切り替え可能
 ・膳板ありなしや高所用サッシのハンドル、オペレータチェーン長さ調整など設計者のニーズを反映。

 □メーカーと設計事務所が共同制作することでより実用的なサッシ商品のBIMモデル提供実現□

 BIMソフト「Revit」で対象建物を入力する際、初期段階においてサッシ商品のBIMモデルが必須となり、サッシ商品のBIMモデルが外観・内観の印象を左右するにも関わらず、従来は実際の商品とは表現が違う汎用的なものしかなかった。
 加えてサッシ商品のBIMモデルは、建材の中でも極めて複雑なパラメーター・設定を必要とするため、設計者がBIMを用いてゼロベースで対象建物を入力しようとする場合、非常に煩雑な手間がかかってしまい、メーカー商品のBIMモデルの一般提供が強く求められていた。
 今回、サッシ商品のノウハウやデータを持つLIXILと、設計で実際に「Revit」を使用しているフリーダムアーキテクツデザインが共同制作することで、より実用的なサッシ商品のBIMモデル提供が実現した。今後、さらに多くのBIMモデルが各メーカーから一般提供されることにより、多くの設計者・設計事務所がBIMによる設計に取り組むことにつながり、建築設計業務にかかる時間や手間が削減されることが期待できる。

 □フリーダムアーキテクツデザインで使用しているRevitテンプレートとマニュアルを無料公開□

 建築知識研究所は、月刊「建築知識」(エクスナレッジ刊)と、年間約400棟のデザイン住宅を手掛けるフリーダムアーキテクツデザインの共同プロジェクト。17年5月現在、設計事務所登録は2000社を超え、1万3000人以上のプロ会員が登録、利用している。
 具体的には、木造住宅のあらゆるディテールが閲覧でき、CADデータの無料ダウンロードが可能になっており、BIMライブラリーでは、フリーダムアーキテクツデザインで使用しているRevitテンプレートとマニュアルを無料公開している。
 ※BIMデータ(LIXIL「サーモスL」)ダウンロードサイト:建築知識研究所LIXIL「サーモスL」
 https://freedomlab.jp/kenzais/view/438
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週火・木曜日掲載)