行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

栃木建協/土のう製作機提供し全国の被災地支援/九州北部豪雨でも活躍  [2017年9月11日1面]

効率的な土のう製作に貢献(九州地方整備局のホームページから)

製作機を考案した坂本副会長

 栃木県建設業協会(渡邉勇雄会長)が、自然災害に見舞われた他地域への支援を積極展開している。手段は土のう製作機。7月の九州北部豪雨では、国土交通省の仲介で被災地から要請を受け、大型土のうの簡易製作機を技術指導と併せて3台提供。堤防やのり面の崩れた箇所の土留めに用いる大量の土のう製作に貢献した。「地域の守り手」として活動する中で、過去の災害対応経験を踏まえて開発した簡易製作機が今後も各地で役立つとみている。
 大型土のう簡易製作機は、坂本邦夫副会長(坂本産業代表取締役会長、栃木市)が3年前に考案した。10年ほど前に地域で水害が発生し、行政から依頼を受けて大量の土のうを製作した際に苦労した経験から、「安全で効率的に土砂を詰める方法はないか」と試行錯誤を繰り返しながら開発に取り組んだという。
 「クイックホッパー」と名付けた簡易製作機は、土砂を投入するホッパーを左右に回転させながら、土のう袋に効率よく土砂を詰めることで短時間のうちに大量の製作が可能。ワンタッチフックに袋をセットすれば土砂投入時に人が周辺に立ち入ることなく、安全に作業が行える。
 九州北部豪雨では、朝倉土木協同組合(福岡県朝倉市、平田立身代表理事)の要請を受け、坂本副会長とメーカーの担当者がクイックホッパーを載せた2トントラックで現地に赴いた。地域の採石場に配備した3台の機械の使用方法を坂本副会長が自ら指導。「土のう製作のスピードをそれまでより2~3倍アップさせることができた」(平田氏)という。8月末までに1万5000袋に上る土のうを製作し、現場に搬送して復旧工事に役立てた。
 さかのぼること2年前、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊した関東・東北豪雨の際にも地元の建設会社の要請を受けてクイックホッパーを提供。その後、茨城県内の複数地区の組合の要請で機械を原価で提供した。
 今年に入って東北地方整備局管内で土のう製作を披露する機会も得た。九州北部豪雨の被災地から支援要請が来たのも、こうした実績の積み重ねが大きかったようだ。11月下旬にも関東地方整備局関東技術事務所の松戸防災センターで実機のデモを行うことも計画している。
 坂本産業では、技術の効果を客観的に証明する手立てとして昨年、国交省の新技術情報提供システム(NETIS)への登録も済ませ、特許も申請。信頼性の高い技術として、河川改修の仮締め切りなど平時の事業にも役立てながら、災害時の要請に応えられるようにしている。
 栃木県建設業協会の名前を記した機械は、同社敷地内に配備。県内各地で協会として災害対応に当たるような時にいつでも出動できる準備を整えている。材料を分解して手で運ぶことができるさらに簡易型の製作機も開発済みで、九州北部豪雨の現場でも活躍している。
 災害に対応してきた地域の建設会社ならではのノウハウを反映させた土のう製作機。栃木建協は各被災地の要請に応じ、広域での支援に積極的に対応していきたいという。
 坂本副会長は、建設会社が災害時の応急対応を一段と行いやすくなるよう、「緊急車両用の回転灯を協会に常備できるようにすることも必要ではないか」としている。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む