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安藤ハザマ/大規模切り土工事の斜面動態観測を省力化/合成開口レーダー使用  [2017年10月6日3面]

約2mのレール上にレーダーアンテナを設置し、移動しながら電波の送受信を行う

 安藤ハザマは5日、大規模切り土工事に地上設置型の合成開口レーダー(GB-SAR)を導入したと発表した。切り土のり面の対岸に設置し、掘削期間中の2~5分に1回の頻度で24時間の連続計測を実施。計測点への機器の設置や現地での測量を不要にし、省力化を実現した。のり面全体の変状を面的に把握できるため、変状発生の見逃しがなく、長大のり面の監視に有効であることも確認した。
 GB-SARは、17ギガヘルツ帯の電波を放射し、観測対象物から散乱された電波を受信することで、レーダーアンテナとの距離を面的に計測して変位を高精度に算出する。非接触で観測できるため、観測範囲内に立ち入る必要がなく、天候や方位などの影響も受けにくいなどの特徴がある。
 約2メートルのレールの上に設置されたレーダーアンテナが移動しながら電波の送受信を行い、仮想的に大きなアンテナを作り出すことで、レーダーの分解能を向上させる。同じ範囲を繰り返し計測し、受信する電波の位相のずれから、変位を1ミリ以下の精度で算出することができる。定点観測に特化した観測手法として、インフラモニタリングなどの分野で研究が進む。
 国土交通省九州地方整備局発注の「熊本325号災害復旧阿蘇大橋地区工事用道路(南阿蘇工区)工事」で試験運用を行った。計測精度は、光波測距儀、衛星利用測位システム(GPS)など従来の手法とも比較し、土木工事で必要とされる精度を確認したという。
 変位状況を工事関係者が共有するネットワークシステムも構築。降雨の前後などで変状の有無をリアルタイムで確認できるようにし、安全性を高めた。導入に当たっては、佐藤源之東北大学東北アジア研究センター教授に指導を仰いだ。山岳トンネル工事の切羽の安定確認などに適用範囲を拡大するなど、安全管理ツールとして活用していく。
 長大のり面や険しい地形での切り土掘削工事では、光波測距儀、GPSなどの地表面計測を実施し、豪雨や地震などに伴うのり面の変状の有無を確認しながら掘削を進める。これらの手法は、設置できる計測機器の数に限りがあるため、計測で変位が確認されても、その結果だけで実際に変状が発生している範囲を特定することは難しい。

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