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国交省/洋上風力発電普及へコスト縮減/構造・施工を簡素化、海のドローンで点検も  [2017年10月13日2面]

 国土交通省は、沖合での洋上風力発電施設を普及させるため、コストの縮減に乗りだす。より簡素な施設構造や効率的な施工・点検方法を検討。18年度から3年程度かけて、具体的な設計法や安全基準を作る。チェーン本数が少ない施設の係留方法や、「海のドローン(AUV)」と呼ばれる自動運転の小型潜水機を使う海底送電線点検などを想定している。
 沖合での洋上風力発電は、陸地に近い洋上よりも強く安定した風力を利用できるのがメリットだが、施設の建設や点検にコストがかかるのが難点。国交省は沖合での設置に有効な浮体式施設の採用を前提に設計法や安全基準を作る。
 国際標準化機関の国際電気標準会議(IEC)が作成中の洋上風力発電施設に関する国際技術基準案を参考に検討を進める。国交省によると、IECの案はコストが安い構造や施工法を認めており、同省が12年に作った日本規格の浮体式施設の技術基準は「オーバースペック」(海事局)との見方もあるという。
 国交省の基準とIECの案を風車の要件で比べると、国交省基準では船舶と衝突しても傾かない構造を定めているのに対し、IEC基準案は環境面に悪影響を及ぼさなければ沈んでもよいとしている。係留方法の要件では、国交省基準が2本以上のチェーン設置を定めているのに対し、IEC基準案はチェーンを2本以上設置したのと同様の安全性を確保できれば1本だけの設置でもよいとしている。
 国交省は数年以内に現行の浮体式施設の技術基準を改定することも視野に入れ、IEC基準案に適合するコストの安い浮体式施設を普及させていく考え。そのためにIEC基準案に適合する設計法や安全基準を作る。新たな安全基準は、同省の指定認証機関として洋上風力発電施設の構造検査を行っている日本海事協会などに活用してもらう。
 一方、点検に関する安全基準作りでは、着床式も含む洋上風力発電施設全般を対象に、海底送電線の点検にAUVを使う場合の送電線との安全な離隔距離などを一律に定める。現在のAUVによる点検ルールは、送電線など点検対象施設の管理者ごとに設けられるケースが多い。統一ルールとなる安全基準を設けることで、従来の遠隔操作による潜水機や、潜水士による点検よりもコストが安いAUVの活用を促す。
 経済産業、環境両省によると、四方を海に囲まれた日本で洋上風力発電は最も有望な再生可能エネルギーの一つ。両省の推計では陸上風力発電の導入ポテンシャルが2・8億~2・9億キロワットなのに対し、洋上風力発電のポテンシャルは15億~16億キロワットとなっている。

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