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五洋建設/技術研究所を大規模更新/海洋実験槽など新設、ロボット技術の開発加速  [2017年10月13日3面]

年内の稼働を目指す海洋実験槽

「省力化が技術開発の重点テーマの一つ」と語る林所長〈左〉と関本執行役員

活躍の場が広がる無線LANボートやROV

 五洋建設は、栃木県那須塩原市の技術研究所を大規模リニューアルした。大水深域などの潜水士による調査が難しい水域で、構造物を安全に点検する遠隔操作型水中点検ロボット(ROV)の性能検証試験などを行う「海洋実験槽」を新設。さまざまな周期の波を起こすことができる「津波造波装置」を導入したほか、実地盤の変形や破壊現象を高精度に再現し、地盤改良工法の効果検証などに使う「遠心模型実験装置」の性能も向上させた。
 技術研究所は1967年に創設され、今年50周年を迎えた。約4ヘクタールの敷地に水理実験棟、構造実験棟、多目的実験棟、研究本館・展示実験棟、屋外実験ヤード、ビオトープ実験場が立地。60人の研究員が在籍する。施設・装置のリニューアルは設立50周年を見据え、前中期経営計画(14~16年度)に合わせて実施した。
 多目的実験棟に新設した海洋実験槽は、幅7メートル、長さ8メートル、深さ5メートルの鉄筋コンクリート製。水深は最大4・5メートルまで確保でき、施設上部には計測装置や試験体などを設置できる可動式ステージを備える。超音波実験用に実験槽内面には特殊ゴム製の吸音材を設置。音波の反射を抑え、精密な音響計測が可能という。
 港湾工事などで生産性向上を実現する水中作業機械やROVなどの性能検証試験のほか、海底や水中構造物などの形状を4次元(4D)で計測し、リアルタイムに表示する施工管理システム「4Dソナー」、音響測位装置の音波特性を把握するための基礎実験を行う。年内の稼働を目指す。
 ROVは国土交通省の公募事業として、最深部約140メートルの宮ケ瀬ダム(神奈川県)で実証試験を行った初号機に続き、16年度に2号機を開発。本年度からカメラを搭載した無線LANボートによる桟橋の点検・診断も始めた。林健太郎技術研究所所長は「省力化に向け、機械化・ロボット化や人工知能(AI)を活用した技術開発に力を入れていきたい」と強調する。
 ICT(情報通信技術)のニーズに対応し、建設現場の計画、施工、維持管理の任意の段階を体感できる仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の専用室も設けた。安全教育などに役立てていく。
 屋外実験ヤードでは、遠隔から港湾のメンテナンスを行う技術開発につなげるため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と衛星を活用した共同研究を進めている。関本恒浩執行役員技術研究所担当は「ベースとなる建設技術を軸に、技術の幅を広げていきたい」と話している。

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