論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

回転窓/地域に眠る土木遺産  [2017年10月20日1面]

 「誰もその価値を把握できていなかった」。土木学会が17年度選奨土木遺産に認定した三重県御浜町の「緑橋防潮水門」。その講評で審査員が漏らした一言である▼緑橋防潮水門は1918(大正7)年、熊野灘に注ぐ市木川の河口部に石とれんがで建設された防潮堤と橋を兼ねた構造物。今も高潮の被害から地域を守り続けている▼選奨土木遺産は学会の支部ごとに推薦が行われる。その候補選びに使われるのが、土木学会発行の「日本の近代土木遺産-現存する重要な土木構造物2800選」。緑橋防潮水門は当初、このリストからも漏れていた▼実は文化庁はその価値を認め、登録文化財への指定を考えていたそうだが、地元行政が撤去を計画していたため宙に浮いていたという。保存を目指す地元市民が頼ったのが土木学会。関係者は「観光振興資源として地域に残る土木構造物を見直す機運が高まったことが幸いした」とみる▼土木学会は明治維新150年を迎える来年、明治に活躍した技術者や築造された構造物を大々的に取り上げる。地域に眠る貴重な土木遺産や技術者の掘り起こしにつながることを期待したい。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む
DVD 新版 つくる!安全現場の1年
「サイバーセキュリティ月間」の新コンテン...続きを読む
タイムライン―日本の防災対策が変わる
風水害などの防災対策として全国の地方自治...続きを読む