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国交省/所有者不明土地、公共事業は収用手続き簡素化/公共的事業には利用権設定  [2017年10月26日1面]

 国土交通省は所有者不明の土地を円滑利用するための制度の方向性を固めた。不明者の意思確認ができず、価値ある建築物が少ないことなどを前提に、公共事業の場合は現行の収用手続きを簡素化、一定の公共性を持つ事業は所有権の制約が小さい利用形態とする特別措置を検討。所有者探索を円滑化するため、現在アクセスできない情報源に個人情報保護に配慮しつつアクセスを可能とする方向だ。
 国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)土地政策分科会に設けた特別部会が25日に開いた第2回会合に提示した。
 特別措置の対象とする所有者不明土地のイメージとして、▽判明している所有者に反対がない▽不明者の意思が確認できない▽価値ある建築物が少ない-を挙げた。
 現行の収用制度には対象とする土地の制限はないが、特別措置は、道路や河川など公共事業に利用する場合、事業やそれに伴う補償に明示的な反対者がいない所有者不明土地を適用対象とする。営業補償が発生せず、定型的な補償算定が困難で利用されていない土地も対象とする。
 反対者がなく補償の算定が容易なことから手続きを簡素化する。現行制度で収用委員会が行っている権利取得や明け渡しの裁決を都道府県知事による裁定に変更。反対意見が出る可能性がないため、審理手続きの厳格性を保ちつつ無駄な手続きを省く。現行制度と同じく、事業認定によって公共性を担保し、不明者の権利を制約して所有権を取得可能にする。
 収用制度の対象とならない公共的事業のイメージとして、▽収用制度対象外・実施主体が公的主体に限定されている事業で実施主体を民間に拡大▽収用制度対象外・地域の福祉や利便に資するものなど一定の公共性が認められる事業▽収用適格事業・一定期間で原状回復が可能な事業-の3ケースを列挙。対象の土地は公共事業での対象と同じとした。
 手続きは公益性の認定や補償金の算定のノウハウを持つ都道府県が裁定を行い合理化する。5年間など一定期間の利用権を設定。所有者が現れ、明け渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復して明け渡すことを原則とする。原状回復が確実に行われるようにする措置も講じる。異議がない場合は更新も可能とする。
 所有者探索の円滑化では、固定資産課税台帳情報や地籍調査情報など現在はアクセスできない所有者情報に対し、個人情報保護の観点に配慮しつつアクセスを可能にすることが有効との方向性を提示した。登記の記録や戸籍、住民票など現行の標準的な情報源についても、権利者の特定につながる客観性の高い資料として確実に調査を実施するべきだとしている。

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