持続させよ 地域建設業の力-2017全建 地域懇・ブロック会議

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持続させよ 地域建設業の力・上/「地域の守り手」存続に危機感  [2017年11月2日]

全国9畜の締めくくりとなった東北地区の会合=10月31日午後、秋田市内のホテルで

◇大型補正、与党へきょうにも要望
 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)と国土交通省による17年度地域懇談会・ブロック会議が10月31日の東北地区で全日程を終えた。地元に密着して社会資本の整備・維持管理、災害対応などを担う「地域の守り手」として社会的使命を果たす-。傘下の協会、会員企業はそれぞれの主張に地域建設業の危機感と意欲を込めた。全国9地区の会合を振り返った。(編集部・溝口和幸)
 「直面する諸課題を官民が徹底的に議論し、双方が解決に向けた取り組みを進める大変重要な会議」。近藤会長は各地区のブロック会議などの冒頭、17年度の会合に対するそうした認識を示し、「地域建設業の健全で安定した経営基盤をしっかり確保する」ことを求めた。会員企業を取り巻く情勢が厳しいためだ。
 2011年の東日本大震災以降も熊本地震をはじめ大規模な地震や豪雨・土砂災害が各地で頻発。一方で、災害対応に駆け付ける地域建設業者は社会・経済環境の変化に伴い減少が続く。全建の会員企業は2万社を割り込み、会員企業が不在の市町村は全国に188以上あるとみられる。
 当初予算と補正予算を合わせた政府の公共事業関係費は、1998年度に14・9兆円確保されていたが、12年度以降は6兆~7兆円台で推移。17年度は補正予算が編成されておらず、前年度を1・6兆円下回る6兆円にとどまる。
 ブロック会議に備え、全建が会員企業に経営環境を聴取したところ、受注状況が「悪い」「悪くなってきた」が半分近くを占め、地域の安全・安心を守るための人員と機材の維持に必要な事業量を「下回っている」との回答は半数を超えた。災害に備える体制が「十分に確保されている」との回答は1割に満たず、「必要最低限」が6割、「体制・能力が不足」は3割に上った。除雪も5割が「必要最低限の状態」と窮状を訴えた。
 「事業量確保と経営の安定化を」。全建は各地の地域懇談会で国交省に要望。傘下の協会もこぞって当初予算の増額や大型補正予算の早期編成を求めた。
 近畿の会合で岡野益巳京都府建設業協会会長は「下期の公共事業費の枯渇が懸念される」と訴え、「人材と資機材を確保・維持し、中長期的に経営の戦略化・安定化が図れるよう、予算の増額確保と公平な配分をお願いする」と求めた。東北では、千葉嘉春東北建設業協会連合会会長が「地域によって工事量が激減し、地域建設業の存続が懸念される」と地域の防災力の低下に危惧を示した。
 「災害対応の担い手がいない大変な事態になる」(山崎司宮崎県建設業協会会長)との危機感は各地に共通する。「補正予算の早期編成をすぐにでも求める」(近藤会長)。全建は各地区の会合を踏まえ、先の衆院選で社会資本整備の推進を公約した自民党に緊急要望を行う方向で最終調整に入った。早ければ2日にも党幹部に対応を申し入れる構えだ。=2面に関連記事

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