持続させよ 地域建設業の力-2017全建 地域懇・ブロック会議

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持続させよ 地域建設業の力・中/地域の「危機管理産業」持続を  [2017年11月6日]

 ◇担い手確保にも事業量必要
 自然災害の頻発を受け、各地区の会合では応急活動や復興に速やかに対処する「応災」のあり方が焦点となった。熊本地震の復旧・復興に奔走する熊本県建設業協会の橋口光徳会長は、災害査定や関連工事の発注、施工の円滑化に関するガイドライン整備を要望。国土交通省は7月に策定した災害復旧・復興の入札契約に関するガイドラインを自治体に改めて周知する考えを示した。
 東日本大震災の被災地では、千葉嘉春東北建設業協会連合会会長が「復興は道半ば」と指摘し、工事費を割り増しする復興係数の適用などの被災地特例を復興完了まで続けるよう求めた。建設業が「危機管理産業」として持続的に発展する環境整備も要請した。
 地域建設業は公共工事の受注ウエートが高く、公共事業費の削減による経営難で「災害対応が一段と困難になっている」(井森浩視山口県建設業協会会長)地域は多い。そこで全国建設業協会(全建)は、地域の防災力を維持・向上させる方策を地域単位で議論する場の整備を提案した。
 「地域のために必要な事業を積み上げて実施を求め、地域建設業の必要性も訴えなければならない」(岡野益巳京都府建設業協会会長)。全建は傘下の協会と共に「地元業者への最優先発注と受注機会の確保」(坂川進福井県建設業協会会長)などの施策の実行を求め、「地域力の強化」につなげる方針だ。
 「若い担い手の確保が急務だが、建設業は周回遅れ。パートナーとして課題の解決に臨みたい」(中筋豊通島根県建設業協会会長)。担い手確保のための働き方改革を巡って各地で活発な議論が行われた。会員企業を対象にした調査では、現場の約8割が4週6休以下の状態にあり、現実を加味した「望ましい休日」として3割が4週6休と4週5休を挙げた。
 各地区の会合では、週休2日の実施に当たり、工期延伸に伴う経費率、歩掛かり、労務単価の見直しに加え、日給制技能者の給与補てんを求める意見が多く出た。長野県建設業協会は、週休2日対応の工事で利潤を確保するには工事価格を7%以上引き上げる必要があるとの試算結果を披露。東北建設業協会連合会が創設を提案した工事価格などを割り増しする「(仮称)担い手係数」について、国交省の幹部は「単価の調査結果などを見ながら、難しいがよく議論したい」との認識を示した。
 「休みを増やし、給与を上げる代わりに利益を出していただく」(安部正一大分県建設業協会会長)。担い手確保のための自助努力を重ねる企業は少なくない。月給制への移行と給与引き上げと同時に週休2日をベースにしたところ、高校生や大学生の採用につながった企業もある。ただ、人件費を賄うために受注を継続的に確保する必要があり、この企業の首脳は「存続できるか心配だ」と懸念を示す。全建の近藤晴貞会長は「地域建設業の課題が集約されている。必要な事業量の切れ目ない確保を求めたい」としている。

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