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ゼネコン協力会トップに聞く・8/全国連合利友会・向井敏雄会長  [2017年11月27日]

 ◇当たり前の産業になるチャンス
 戸田建設と利友会会員の関係をより良くするため、新パートナーシップ構築協議会を立ち上げ、元請と専門工事業のあるべき姿について議論してきた。「現場で共にものづくりをする立場として、災害防止や品質の向上、生産性向上に取り組むのは当然だ。もっと大事なのは、就労現場の作業環境をいかに良くしていくかだ」と力を込める。
 --社会保険未加入対策が進む。
 「戸田建設で6月に実施した全国一斉の作業所技能工アンケートでは、個人単位で見た場合の適正加入は72%程度だった。昨年末から今春にかけて実施した2次以下の下請を含めた協力会社約2万3000社の調査では、95%が適正加入となっている」
 「法定福利費の問題で言えば、当社(向井建設)はいろいろなゼネコンの仕事をしている。A社では法定福利費をもらえるが、B社ではもらえない。同じ人がA社とB社で働いているのに矛盾する。ゼネコン全体で足並みをそろえてもらわないと困る」
 --業界を挙げて週休2日確保への取り組みが活発化している。
 「適正な工期が必要だ。建設産業専門団体連合会(建専連)でアンケートを行ったが、作業環境が厳しい、待遇が悪い、仕事がきついなど細かく分析していくと、すべて工期が厳しいことに行き着く」
 --会員企業が採用活動で苦労している。
 「週休2日で学校に通っていた人にとって、土曜に働くという概念がない。建設業はやっと週休2日に取り組みだしたばかりで、周回遅れどころか、2周遅れだ。仕事や企業としての魅力度を高めることも必要だ」
 --技能労働者の月給制への移行が求められる。
 「土曜が休みになっても、現場で働く技能労働者の賃金が目減りしないよう、月給制にして賃金を上げないといけない。現場で働いている人を月給制にするのは決して困難ではない。建設現場の技能者の経験や資格などのデータを業界の統一ルールで蓄積する『建設キャリアアップシステム』の先行運用が来年秋に始まる。この機会を逃しては当たり前の産業になれない。このタイミングで月給制に移行すべきだ」
 --時間外労働の削減にはどう取り組む。
 「労働基準法を変え、時間外労働の手当を諸外国並みに引き上げるしかない。日本は安すぎる。思い切って上げるべきだ。そうすれば、会社のコスト負担が重くなって長時間労働ができなくなる。その代わり、働く人も無駄な時間を使わないようにしないといけない。働く人も自分の時間を犠牲にしている」
 --生産性の向上をどう考える。
 「個々人が常に後工程のことを意識し、余分な仕事を残さないようにしないといけない。部分最適ではなく、全体最適を常に考えるべきだ。自分だけ良ければいいではなく、他者を思いやりながら、互いに協力し合ってやることが大切だ。そういう意識に変わってきている」。
 (向井建設代表取締役会長)(むかい・としお)

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