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国交省/高速道路整備に財政融資1・5兆円投入/700橋の耐震強化推進  [2017年12月12日1面]

熊本地震で被害が発生した大分自動車道の橋梁

 国土交通省は18年度からの高速道路整備に財政融資1・5兆円を投じる計画で、融資の一部を既設約700橋の耐震性能強化策に優先的に充てる。高速道路の橋梁は大規模地震が発生しても落橋・倒壊を防げる程度の耐震性能を備えているが、今回の対策では大規模地震発生後に速やかな機能回復を実現できる程度にまで性能を高める。おおむね21年度の完了を目指す。
 高速道路整備に財政融資1・5兆円を投じる計画は、安倍晋三首相が11月16日の経済財政諮問会議で「生産性を大きく押し上げる物流ネットワークの整備は極めて重要だ」と表明したのを受けて決まった。財務省が年末にまとめる18年度財政投融資計画に盛り込まれる見通しだ。
 国交省は、高速道路会社6社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡、首都、阪神)の整備計画を認可する立場で、財政融資を国際空港や物流施設と連絡する大都市圏環状道路を形成する高速道路の未開通区間整備と暫定2車線区間の4車線化整備に加え、大規模地震の発生確率が高い地域にある橋梁の耐震強化策に誘導する方針だ。
 橋梁の耐震強化策では、防災科学技術研究所(防災科研)が予測する今後30年間で震度6弱以上の地震が26%以上の確率で発生する地域にあるストックのうち、地震発生後の速やかな機能回復に不安がある約700橋の対策を優先して進める。現時点で具体的な対象橋梁や高速道路会社別の箇所数は明らかにしていないが、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生すると甚大な被害が想定される太平洋側に集中している。
 橋梁の耐震強化策では、落橋・倒壊などの大規模被害が多発して通行再開までに長期間を要するケースが相次いだ昨年4月の熊本地震を教訓に、大規模地震発生後に速やかに機能を回復できる程度にまで耐震性能を高める。支承の補強や交換を整備主体の高速道路会社に促す。
 1・5兆円の財政融資は、高速道路資産を保有する日本高速道路保有・債務返済機構に貸し付ける。それによって、高速道路会社から整備した道路資産と債務をまとめて引き受ける機構には、1兆円程度の債務引き受け余力が発生。この余力を活用して高速道路会社に大都市圏環状道路整備や橋梁の耐震強化を促す。
 国交省によると、全国の高速道路整備を中心とする有料道路事業費はここ数年、平均2兆円程度で推移している。高速道路整備に財政融資が行われるのは05年の道路関係4公団の民営化後初めてとなる。

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