論説・コラム

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回転窓/「老後指南書」の隆盛  [2017年12月12日1面]

 出版取り次ぎ大手の日本出版販売(日販)とトーハンが先日発表した今年のベストセラー。総合1位は、ともに佐藤愛子著『九十歳。何がめでたい』(小学館、16年8月発売)だった。発売からの累計発行部数は105万部というからすごい▼〈身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞〉(版元の宣伝文句から)する痛快なエッセーだそうである。老いてますます盛ん、と言っては失礼か▼書店をのぞいても、新聞の出版広告でも、最近は高齢の有名作家などが書くエッセーの類いが随分と目に付く。どれも宣伝文句から先は読んだことがないが、「老後人生の指南書」とでもいえようか▼人生80年、90年が当たり前の時代。長い老後をどう生きるべきか、ある種の指針を求める高齢者やその予備軍が大量にいることが、こうした本が受ける背景かもしれない。出版社もそこを大いに意識しての販売戦略だろう▼本が売れない、町の本屋が無くなるなどと出版不況が深刻な折、老後指南書のヒットは結構なことではあるが、何か少し物足りない気もする。

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