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鹿島/開削トンネル向け新工法開発/大型リングセグメント使用、完全PCa化実現  [2017年12月13日3面]

従来のボックスカルバート〈左〉とスーパーリング工法の概要図

 鹿島は12日、都市部の道路トンネルなどを開削工法で構築する新工法を開発したと発表した。大型のリングセグメントを地上で組み立て、土留め掘削した空間につり下ろして所定の位置までスライドさせた後、複数のセグメントのリングをプレストレスによって一体化する。従来の場所打ちコンクリートによるボックスカルバートとコストは同等。現場で必要な作業員を約9割削減、躯体構築の工程もほぼ半分に短縮できるという。
 都市部の開削トンネル工事は、場所打ちコンクリートによるボックスカルバートで構築するのが一般的だが、鉄筋、型枠、コンクリート打設、防水など複数の工程を必要とし、多くの人員と時間がかかる点が課題。
 開発した「スーパーリング工法」は、地下構造物の完全プレキャスト(PCa)化を実現する。構造的に強い円形のリング構造とすることで、部材を薄くすることが可能。2車線の道路トンネルで外径12メートル、セグメントの厚さ500ミリ、幅1メートルを想定した場合、1リングの重量は約45トンとなる。同規模のボックスカルバートの4分の1に軽量化。汎用の揚重機を使って施工できる。
 セグメントは4等分し、円周方向、軸方向ともにPC鋼材でプレストレスを与え、強固に一体化する。構造物の耐震設計基準で想定される最大級の地震動(レベルII地震動)に対しても十分な耐力を確保できる。継ぎ手部には、シールドトンネルで実績のある水膨張シールを使い、プレストレスにより十分に密着させて高い止水性を持たせる。
 現場では、地上で平置きの状態で1リングを組み立てた後、円周方向にPC鋼線を通し、緊張して一体化する。緊張したリングをクレーンで開口部からつり下ろす。つり下ろしたリングをジャッキで押して既設リングと仮固定し、所定の位置までスライドさせて、所定リング数を組み立てた後、軸方向にPC鋼棒を挿入・緊張して一体化する。
 場所打ちコンクリートの場合は、工事の進ちょくに合わせて開口部を設ける必要があるが、1リングごとにつり下ろしてスライドさせるため、開口部を1カ所に固定でき、作業の効率化が図れるという。今後、実物大の実証実験を三井住友建設と共同で実施し、施工方法の検証を行っていく。
 鹿島は工法のメリットを最大限に生かせる都市部で、地下の道路トンネルなどに採用を提案。水路、海洋構造物、各種貯蔵施設、エネルギー施設などの分野への応用も検討していく。

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