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九州整備局有識者委/阿蘇山土砂災害対策の方針原案を了承/直轄で砂防堰堤を集中整備  [2017年12月13日11面]

 九州地方整備局は12日、熊本市内で「阿蘇山における土砂災害対策の計画段階評価に関する有識者委員会」(委員長・北園芳人熊本大学名誉教授)を開き=写真、熊本地震やその後の降雨により斜面崩壊や土石流が発生した阿蘇地域の土砂災害対策として直轄事業で砂防堰堤工を中心に整備を行う対応方針原案を諮り、了承された。事業費は約150億円。今後、国土交通省に報告し同省が18年度の新規事業採択を判断する。
 委員会は新規事業採択時評価の前段階で複数案を比較・評価する計画段階評価の手続きとして開催した。
 開会に当たり九州整備局の竹島睦河川部長は「阿蘇地域全体で土砂災害リスクが高くなっている。集中的に対策を行い、地域の安全・安心を確保することが重要」と述べ、北園委員長は「12年の九州北部豪雨の阿蘇地域の復旧は4~5年かかった。熊本地震の規模を考えるとこれまで以上の期間が必要になると考えられる」と述べ、早期の復旧に向けた集中的な対策の必要性を指摘した。
 阿蘇カルデラ内ではこれまで繰り返し土砂災害が発生しており、近年では12年7月の九州北部豪雨や16年4月の熊本地震で土石流などにより人家や国道57号、JR豊肥本線などが被災。熊本地震とその後の降雨により渓流や河川に土砂堆積が見られる。阿蘇カルデラ内壁は急勾配の崖地形で地質が脆弱(ぜいじゃく)な上、カルデラ内の面積の4割弱は土石流危険渓流となっており、地震により地盤が緩んでいる。
 これらを踏まえ九州整備局は100年超に1回の規模の降雨に伴い発生する可能性が高い土石流と流木に対し集中的な整備を行うことにより、渓流からの集落などへの直接的被害の防止・軽減と白川・黒川の土砂洪水氾濫の軽減を図ることを政策目標に設定した。
 その上で考えられるハード対策6案、ソフト対策3案の中から▽山腹保全工を中心に整備する案(事業費約770億円)▽砂防堰堤工を中心に整備する案▽家屋移転を中心に整備する案(約190億円)-に絞り込み比較評価を実施。
 山腹保全工中心の案は点での対策となり対策個所以外での追加対策が必要となり、家屋移転中心の案は地域の合意形成が課題などとして、すでにある技術で対応でき、県が整備した実績があり確実性、適応性が高い砂防堰堤工を中心に整備する案が優位と評価した。
 九州整備局によると事業個所は阿蘇市、高森町、南阿蘇村。家屋約600戸、国道57号・325号、JR豊肥本線の土石流による被害を防止・軽減する。
 会合では直轄砂防事業の早期着手を求める蒲島郁夫熊本県知事の意見が紹介された。委員からは砂防堰堤の整備が妥当との意見が相次ぎ、実施に当たっては事業の周知・広報やソフト対策が必要とする指摘もあった。

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