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東京都/転居費用支援やコーディネーター派遣検討/特定緊急輸送道沿道建築物耐震化で  [2017年12月18日4面]

 東京都は15日、大地震の発生に備えて指定している特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を促す新たな施策案を明らかにした。賃貸の事務所・マンションなどから移転・転居する利用者の費用負担などを支援する制度や、耐震化のプロセス全体に助言できる「耐震コーディネーター」を建物所有者に派遣する仕組みなどを検討。18年度以降に具体化させる。
 都によると、耐震化の必要がある特定緊急輸送道沿道の建築物は約2190棟。合意形成が思うように図れず、耐震化が進んでいない賃貸のマンション・店舗・事務所などは約500棟に上るという。
 賃貸建築物に関しては、これまでの調査で、利用者の移転・転居費用が大きな障壁となっていることが分かり、その費用負担などを都が支援する仕組みを構築することにした。具体的な手法はまだ決まっていない。耐震化に向けた利用者への働き掛けが十分でない建物所有者に対しては、助言・指導を徹底していく。
 新たに派遣を検討する耐震コーディネーターには、耐震化の計画立案、設計、施工に至るすべてのプロセスで建物所有者に総合的・技術的な助言を行ってもらう。分譲マンションを中心に仕組みを具体化する方向だ。
 建物所有者が、耐震改修を一遍に進めるのではなく、段階的に実施したいとの意向を持っている場合もあるため、「段階的改修の促進に向けたガイドライン」を新たに作成・公表する。分譲・賃貸を問わず、耐震指標のIs値が0・3未満と判定され、一度の施工では耐震化が難しい建物での利用を想定している。
 こうした施策の有効性は、建物所有者に既に耐震化への理解や意思があることが前提となる。都の調査では、そもそも耐震化に対する理解や意思がない所有者は、分譲マンションで約430棟、賃貸建築物で約630棟、その他で約330棟に上っている。対策として成功事例集の作成、積極的な情報提供、耐震診断結果の公表を契機とした働き掛けなどに取り組むほか、耐震化に関心がない建物所有者向けの実効性ある促進策を別途検討する。
 一連の施策は、都が外部有識者とつくる検討委員会の報告案として固める。18年2月に報告案、同3月に報告を取りまとめた後、都民の意見も募集し、具体的な検討を進める。
 〈新たな耐震化促進策〉
 ■耐震化の理解・意思がある場合
 〈全用途共通〉成功事例集の作成、積極的な情報提供△段階的改修のガイドライン作成・公表
 〈分譲マンション〉耐震コーディネーターの派遣
 〈賃貸建築物〉占有者に協力を求めるよう、所有者への働き掛け△占有者の移転などに対する支援△占有者の責務規定
 ■耐震化の理解・意思がない
 △成功事例集の作成、積極的な情報提供△耐震診断結果の公表を捉えた耐震化推進△実効性のある促進策検討

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