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日本型枠/社保加入率が大幅改善/17年実態調査結果、法定福利費の確保「不十分」  [2017年12月19日2面]

 ◇18年3月に見積書作成ウェブツール運用開始
 型枠大工、型枠解体工の社会保険加入率が大幅に改善していることが日本型枠工事業協会(日本型枠、三野輪賢二会長)が発表した17年調査で明らかになった。重視する厚生年金加入率の全国平均は、型枠大工が85%(前年44%)、型枠解体工が72%(27%)に上昇した。日本型枠は「後戻りできないレベルに来た」として、保険加入を進めた専門工事会社が不利にならない環境整備を求める構えだ。
 会員外13社を含む213社(223社)が8月31日時点の状況を回答した「型枠大工雇用実態調査報告書」(17年調査)をまとめた。
 それによると、9地域別の厚生年金加入率は、最低が型枠大工が関西の66%(16%)、型枠解体工が九州の43%(16%)となったが、両地域とも前年より大幅に上昇。建設業許可を取得している2次以下の下請業者の3社会保険(雇用・健康・厚生年金)の加入率は81%(61%)に上がった。
 三野輪会長は、会員企業の取り組みとともに「(施工者を社会保険加入業者に限定する)国土交通省などの対策が奏功した」ことを改善の要因に挙げた。さまざまな規模の建設会社の複数の現場で作業に従事する型枠解体工の加入率が大幅に改善し、「誇っていい成果」(後町広幸常任理事)と見ている。
 一方、課題も依然多いことが分かった。法定福利費の確保を巡っては、提出した見積金額に対する契約金額の減額幅は、「5%以上10%未満」が30%(27%)、「10%以上20%未満」が18%(14%)、「20%以上」が3%(4%)と厳しい状況が続く。契約別では10%以上の減額が全国ゼネコンは19%(13%)、都道府県ゼネコンは22%(22%)に達し、値引き幅が広がっている。
 10%以上の減額となった割合は、民間工事が25%(19%)、公共工事が12%(15%)。法定福利費が「確保不能」という回答は、全国ゼネコンで11%(12%)、都道府県ゼネコンで20%(31%)、民間工事は18%(27%)、公共工事は11%(13%)あり、「大きな問題」(後町理事)と指摘する。
 日本型枠は「法定福利費が満足にもらえていない」(三野輪会長)として、官民の「建設業社会保険推進連絡協議会」で現状を報告し、法定福利費をもらわなくても工事が行えてしまう環境の是正を目指す。優秀な技能工の育成やRC造の必要性のアピールに取り組みつつ、法定福利費の確保に向け、日本型枠版の標準見積書の活用が低調な現状を改善するため、法定福利費をウェブ上で自動算出できるツールを早ければ18年3月にも稼働させる。
 調査では、型枠大工(職長・技能工)の1社平均が49・6人(56・5人)に減少し、3年ぶりに50人を割り込んだ。引退の近い55歳以上は34%(32%)に上昇した。型枠大工の賞与・手当を除く標準日給の全国平均は職長1万6395円(1万6771円)、技能工1万3832円(1万4242円)。ともにトップは関東、最低は九州だった。

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