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厚労省/安全帯構造規格改正へ/19年度初め、フルハーネス型に衝撃吸収装置規定  [2017年12月20日1面]

 厚生労働省は19年初めをめどに、建設現場で着用する安全帯の構造規格を改正する。高さ5メートル程度以上の場所での着用を義務化するフルハーネス型には、墜落で宙づりになった時にベルトが身体を圧迫する力を吸収する装置を付けることを規定。高さ5メートル程度以下の場所で着用を認める胴ベルト型では、命綱を構造物に回してフックをベルトに掛けるU字づり専用タイプを禁止する。
 同省は6月に建設現場の事故で最も多い墜落・転落の防止策として、20年代前半までに、高さ5メートル程度以上の場所で着用する安全帯を胴体部全体を支持するフルハーネス型に限定する方針を決定。現在最も普及している胴ベルト型の着用は、安全機能の強化を前提に高さ5メートル程度以下なら引き続き認めることにした。いずれも政令・省令や告示で規定し、20年代前半までに段階的に施行する。
 このうち、告示で定める安全帯の新たな構造規格は19年初めをめどに施行し、新規格に対応した安全帯の市販を促す。半年後の19年夏ごろには現行規格の安全帯の販売を禁止する。
 構造規格の改正ではフルハーネス型について、新たに宙づり時に身体を締め付ける力を吸収する装置「ショックアブソーバー」の設置を規定する。ショックアブソーバーは構造物に掛けるフックか、ランヤードと呼ばれる命綱の取り付け位置(D環)に設置することを定める。
 胴ベルト型は、墜落防止装置としてのランヤードのU字づり専用タイプを禁止する。ランヤードが緩んだり、フックが外れたりしてU字づりタイプの着用者の墜落災害が15年には1年間で15件発生した状況があるためだ。ただ、作業姿勢の確保を目的とした使用については、構造物と作業者をロープ1本でつなぐタイプとの併用や、ロック機能が付いた巻き取り式ランヤードやショックアブソーバーを設置するなどの条件付きで認める方向だ。
 厚労省によると、現在市販されているフルハーネス型の大半にショックアブソーバーが設置されているため、製品の大幅な改善や買い換えには至らない見通し。一方、胴ベルト型はU字づり専用タイプが多く流通しているため、新たな構造規格の導入によって大幅な改善や買い換えが必要になるとみている。
 構造規格で新たに定める規定は、今月14日に建設業団体などの関係機関と改定作業に本格着手した安全帯の詳細な規定を定めた日本工業規格(JIS)「T8165」にも盛り込み、19年中の発行を目指す。
 改正案の概要は次の通り。
 ■安全帯構造規格改正案
 【フルハーネス型・胴ベルト型共通】
 △墜落・転落中の宙づり時にベルトが身体を圧迫する「衝撃荷重」を現在の8キロニュートン(kN)から4kNに半減できるようにする装置を設置(身体を鍛え上げている人が耐えられる上限値の目安は12kN程度)
 △性能試験の落下試験で使用する人体模型の重さについて、現在の一律85kgに加え100kgも導入
 【フルハーネス型】
 △ショックアブソーバーの設置を規定
 【胴ベルト型】
 △U字づり専用タイプを禁止
 △ランヤードの長さ規定を現在の2.5mから1.7mに短縮
 ■JIS改正原案
 【フルハーネス型】
 △胴ベルト不要のももベルト水平型について、墜落・転落中の宙づり時にももや胸回りのベルトがずり上がって身体を圧迫するリスクを改善。

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