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日建連/週休2日行動計画を決定/土日閉所、21年度末までに実現  [2017年12月25日1面]

 ◇業界の命運かけ挑戦/年収補てん・施工効率化が課題
 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は22日の理事会で、「週休二日実現行動計画」(17~21年度)を決めた。土日が原則の週休2日(4週8閉所)を21年度末までに実現する目標を掲げ、9項目の基本方針と8項目の行動を列記。技術者・技能者の担い手を確保するために「業界の命運を懸けてチャレンジする」と決意を示した。=2面に関連記事
 今後、週休2日のための工期、代金に関する請負契約・下請契約の特記事項モデルを作成。会員企業もそれぞれ行動計画を策定し、取り組みを始める。
 行動計画は週休二日推進本部(本部長・井上和幸清水建設社長)が検討した。9月に試案を公表。関係機関との意見交換を経て決定し、22日から適用した。
 計画で目指す週休2日は土日閉所。対象は本支店などとすべての工事現場。19年度末までに4週6閉所以上を実現する。土日閉所が難しい場合は別の曜日で閉所を確保する。祝日は振り替え閉所の対象とするが、「祝日を含む完全週休2日を目指す」と明記し、「カレンダー通りの休日確保」(首脳)に挑む。災害復旧、2020年東京五輪関連工事など特別な事情のある現場と契約で工期が定まっている現場は、計画期間に限って「適用困難事業所」として扱い、対象から外す。会員企業の取り組みを半期でフォローアップし、適用困難事業所率を集計する。
 行動計画は、冒頭で週休2日を「『とても無理』と自他共に認めてきたタブー」とする一方、技能者の高齢化に伴い「生産体制は10年を経ずして破たんしかねない危機的な状況」と指摘。技術者を含めた若い担い手の入職・定着による世代交代のために「オール建設業の一大運動」として週休2日の実現を進めると決意を表明した。
 基本方針、行動では、閉所日が異なると日給技能者が他社の現場に移る事態が想定されるのに加え、社会一般の理解を得る必要もあるため「原則土日閉所」の必要性を強調。他産業との人材獲得競争に敗れないよう「会員企業が覚悟を決めて、一斉に取り組む」と明記した。時間外労働の罰則付き上限規制の適用を控え、長時間労働の是正措置としても実行する構えを見せた。
 日給制技能者について、社員化・月給化が必須とする一方、年収の維持に配慮し、下請発注の労務単価引き上げなど「年収減少分の補てん」も講じるとした。施工の効率化、技術開発など生産性向上の自助努力を行い、工期の延伸や損料・リース料といった経費の増加への理解を得る活動を推進。設定工期を週休2日で達成するための費用(特急料金)は「請負代金に適切に反映させる」とも明記した。行動には、週休2日が確保できる工期設定、工期ダンピングの排除、意識改革(統一土曜閉所運動の実施)などを挙げた。
 行動計画の要旨は次の通り。
 ■基本フレーム
 【1】計画が目指す週休2日は土曜日および日曜日の閉所
 【2】対象事業所は、本社、支店などやすべての工事現場
 【3】計画期間は17~21年度の5年間。19年度末までに4週6閉所以上、21年度末までに4週8閉所の実現を目指す
 【4】実施状況を毎年度フォローアップ
 ■基本方針
 【1】週休2日を21年度までに定着させる
 ▽東京五輪後に集中すると予想される高齢者の大量離職と、改正労基法施行後5年で建設業に適用される罰則付き時間外労働の上限規制に適合
 【2】建設サービスは週休2日で提供する
 ▽建設業自らが「週休2日をベースに建設サービスを提供する」という明確な意識改革をした上で、一層の自助努力を行って社会の認識を改める
 【3】週休2日は土日閉所を原則とする
 ▽業界一丸となって一斉土曜閉所で出発しなければ実現は望めない。技能者の休日確保、社会一般や入職希望者の理解促進のためにも土日を一斉閉所として目に見える形で推進する
 【4】日給月給の技能者の総収入を減らさない
 ▽会員企業は、協力会社組織などを通じて社員化・月給制に取り組む専門工事業者に対して積極的な支援、関与を行うとともに、雇用形態移行までの間は日給月給制の技能者個々人の年収が維持できるように労務単価を引上げて年収減少分を補てんする
 【5】適正工期の設定を徹底する
 ▽生産性の向上など最大限の自助努力を反映した適正な工期を提案するとともに、これらの趣旨などを発注者に対して丁寧に説明し、理解を得る
 【6】必要な経費は請負代金に反映させる
 ▽週休2日に伴い必要となる費用を請負代金の積算に適切に反映させるとともに、発注者の理解を得られるよう、受注交渉で丁寧に説明する
 【7】生産性をより一層向上させる
 ▽週休2日の取り組みによる工期延伸をできる限り抑制するため、会員企業は生産性向上に向けてより一層の企業努力を行うとともに、「生産性向上推進要綱」に沿って、個々の企業では解決が困難な取り組みを積極的に推進する
 【8】建設企業が覚悟を決めて一斉に取り組む
 ▽週休2日の普及の遅れは、他産業との人材獲得競争にますます後れを取ることとなり、産業の将来に重大な影響を及ぼすことから、すべての日建連会員企業が覚悟を決めて一斉に取り組む
 【9】企業ごとの行動計画を作り、フォローアップを行う
 ▽会員企業は企業ごとに行動計画(アクションプログラム)を策定し、具体的な行動に取り組む
 ▽会員企業の取り組み状況をフォローアップし、その結果を公表するとともに、必要に応じて具体策の強化や追加施策の検討など最大限の努力により目標の達成を図る
 ■週休二日の実現に向けた行動
 【1】請負契約および下請契約
 〈1〉請負契約における取り組み
 ▽適正な工期の設定
 ▽必要となる費用の請負代金への反映 
 ▽工事の進ちょく状況の共有
 ▽工期ダンピングの排除
 ▽請負契約書の特記事項
 〈2〉下請契約における取り組み
 ▽適正な工期の設定(後工程の施工期間に配慮) 
 ▽適正な請負代金の設定(休日、夜間労働などの割増賃金を含む)
 ▽日給月給技能者の減収分の補てん
 ▽再下請負契約に係る指導
 ▽下請契約書の特記事項
 【2】優良協力会社への支援
 ▽社員化、月給制への移行支援
 ▽下請発注の平準化
 ▽支払い条件の改善
 【3】自助努力の徹底
 ▽生産性の向上
 ▽建設技能者の労務賃金の改善
 ▽重層下請構造の改善
 ▽下請取引の適正化
 ▽建設キャリアアップシステムの普及促進
 【4】業界の意識改革-統一土曜閉所運動など
 【5】発注者、一般社会の理解促進
 【6】国土交通省の「週休2日モデル工事」への対応
 【7】「建築工事適正工期算定プログラム」の活用
 【8】関係省庁等の取り組みへの参画。

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