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五洋建設/桟橋調査診断システム開発/無線LANボート導入、劣化度を自動判定  [2018年1月17日3面]

ボートには高性能の動揺抑制装置に撮影用カメラを搭載

 五洋建設は16日、沿岸部にある桟橋の下に無人の遠隔操作ボートを航行させて、桟橋下面の劣化や変状を調査診断するシステムを開発したと発表した。ボートに搭載したカメラで状況を撮影し、画像を3次元(3D)モデルで視覚化。ひび割れや剥離など欠陥位置の正確な把握や劣化度の自動診断が可能だ。小型船に調査員が乗って行う従来の目視点検と同等のコストながら、2・5倍の速度で調査できるという。
 「無線式LANボート(仮称)」は、全長2・2メートル、幅1・1メートル、高さ0・65メートル、重量55キロ。1回の充電で約2時間の稼働が可能だ。内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「SIPインフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(14年12月~17年3月)の採択案件として開発した。
 高性能の動揺抑制装置(ジンバル)に撮影用カメラを搭載し、波浪による揺れを抑えながら撮影方向を操作・保持することで、桟橋下面部の画像が効率良く撮影できる。操縦用カメラやLED照明なども装備する。
 建設から45年が経過した延長80メートル、幅20メートルの桟橋で適用性を検証した。ボートを桟橋下面に配置し、桟橋上からボートを操縦。撮影した画像から3Dモデルを作製後、専用のソフトウエアでひび割れ密度や剥落面積の有無、鉄筋の露出面積割合などの判定基準を基に、劣化度を診断した。
 桟橋下面に調査員が立ち入らずに調査が可能。検証試験では2時間で約3000平方メートルの点検を終えた。わずか2時間で海上目視点検の標準歩掛かりとされる1日当たり1240平方メートルの約2・5倍の効率化を実現した。
 3Dモデル、ひび割れなどを示したCAD図や部材の劣化度の情報を取り込み、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルとしてデータを蓄積すれば、維持管理にも役立つ。老朽化した桟橋の調査診断業務の引き合いは多く、2月にこのシステムを適用する初弾の調査を予定している。
 従来の桟橋の調査は、3人程度の調査員が小型船に乗り込み、潮位の影響で調査時間が制限される中で実施している。船上から観察して写真撮影やスケッチ図を作成して劣化状態を把握し、劣化度診断は専門技術者が判定する方法が一般的とされる。技術者不足や小型船の確保の問題に加え、斜杭や前垂れ部のような狭あいな箇所では調査不足も課題となっていた。

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