技術・商品

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

安藤ハザマら/トンネル地質の自動評価システム開発/マルチスペクトル画像で精度向上  [2018年2月5日3面]

トンネル切羽の写真と風化度自動評価画像〈右〉

 安藤ハザマは2日、秋田大学、筑波大学と共同で、複数の波長帯の電磁波を記録した画像(マルチスペクトル画像)を使い、トンネル切羽や掘削のり面の地質を評価するシステムを開発したと発表した。人工知能(AI)の画像認識技術を活用し、マルチスペクトル画像から岩石種や風化程度などを自動で判定する。試験運用では、90%以上の正答率で岩石種を判定することに成功したという。
 安藤ハザマは16年に、AIの画像認識技術を活用したトンネル切羽の自動評価システムを開発した。トンネル支保の設定根拠となる弾性波速度を、切羽の写真から80%以上の認識率で自動的に特定することに成功している。
 新たなシステムは、自動評価システムの精度を向上させるのが目的。スペクトルカメラで撮影したマルチスペクトル画像は、目視で認識できる可視光線の波長帯の電磁波だけでなく、紫外線や赤外線、遠赤外線など人の目で見えない不可視光線の波長帯の電磁波も記録できる。
 火山岩と深成岩から各3種類、合わせて6種類の岩石供試体でスペクトル強度特性の形状を取得し、その形状と岩石種との関係を教師データとしてAIに学習させる。従来は通常の写真から判定していたが、マルチスペクトル画像を使うことにより、より詳細な判定が可能となる。
 同社らはさらに多くの種類の岩石供試体を使用し、岩種評価の自動化の検討を進めると同時に、風化や変質の程度など岩盤の工学的特性に影響を及ぼす要素を定量的に評価する手法の確立を検討している。岩石供試体での検討結果を基に、面的に地質状況を自動判定する手法の開発や、現在は地質専門技術者に委ねられている地質図作成の自動化の検討も進めている。
 トンネルやダムなど山岳土木現場では、事前に想定していた地質と実際との差異を評価し、その状況に応じて設計や施工計画を見直す作業が欠かせない。地質状況の適切な評価には地質専門技術者の知見が必要となる。すべての評価に専門技術者が立ち会うことは難しく、施工中の地質評価を効率的に進めることが現場運営の課題とされる。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

建設業で本当にあった59話の心温まる物語
およそ500万人が働く建設業界。それぞれ...続きを読む
作業現場が危ない?!熱中症予防・対策マニュアル
熱中症は、早期の対処で重症化を防げる疾患...続きを読む
中小企業の事業性を向上させる税理士の経営支援
身近な専門家である税理士の支援を受け、中...続きを読む
DVD 道路工事の労働災害・公衆災害
安全教育用DVD「つくる!安全現場の一年...続きを読む
国際標準型アセットマネジメントの方法
インフラ資産のアセットマネジメント全体の...続きを読む