JAPICの緊急提言から

JAPICの緊急提言から・8/治水は国家百年の大計 [2021年6月29日]

 「気候変動監視レポート2019(気象庁)」によれば、1950年代以降から今日まで、桜の開花は1週間早くなり、カエデの紅葉は2週間以上遅くなっている。そのためか春分・秋分や立夏・立秋など、暦と生活を結びつける二十四節気による季節感の微妙なずれも指摘されている。地球規模的な温暖化を背景として、各季節が全体的に暖かくなっている証拠であろう。



 気候の変化はわれわれがこれまで経...続きを読む

JAPICの緊急提言から・7/住民が安全に暮らすためには [2021年3月26日]

 ◇電気室などを上階設置するインセンティブを



 近年、気候変動による水害が、河川流域の広域で大きな影響を与えるようになってきた。荒川や利根川、江戸川の下流に位置している首都圏でも、さまざまな問題が顕在化してきている。2019年東日本台風の際、荒川下流部の岩淵水門付近では荒川の水位が隅田川、新河岸川の堤防や東京都北区の地盤高よりも高くなり、岩淵水門が無ければ、堤防を越水して...続きを読む

JAPICの緊急提言から・6/水害保険制度の充実と普及を [2021年3月25日]

 近年の地球温暖化に伴う気候変動により、過去に経験したことがない規模の自然災害が日本全土に広がっているが、未曽有の自然災害に対する警鐘は今に始まった話ではない。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による第5次報告書(2013~14年)では、もはや「気候システムの温暖化には疑う余地はない」と断言されている。



 日本は、世界でも類を見ないほど自然災害に見舞われやすい環境下...続きを読む

JAPICの緊急提言から・5/過去に休止したダム・遊水地を再検証 [2021年3月24日]

 ◇省庁・担当部門の壁を越えた総力戦の防災を



 公共事業の中でも「一度動きだしたら止まらない」事業の象徴とされてきたダム事業。だが、1990年代から環境問題や水需要の減少、事業者の財政問題、地元の反対運動などで、多くのダム事業が中止あるいは凍結された。特に2001年に当時長野県知事であった田中康夫氏が県議会で「脱ダム宣言」して以降、その動きは加速。全国各地でダム事業が見直...続きを読む

JAPICの緊急提言から・4/各種計画をどう連携させるか [2021年3月22日]

 ◇自治体の枠を越えた流域防災計画の作成を



 気候変動による水害の激甚化、頻発化を受け、これまでの水害対策をより一層強化するため、洪水貯留施設・堤防などのハード整備の加速化や治水計画の見直しなどが行われている。さらに、河川の流域全体を俯瞰(ふかん)して、行政、民間、地域、個人が協働する総力戦による流域治水の取り組みも始まっている。



 2月初旬に国...続きを読む

JAPICの緊急提言から・3/PPP・PFIを活用した防災対策 [2021年3月19日]

 ◇Park-PFIを応用した河川管理



 新規のインフラ投資が必要となる一方で、高度成長期以降に集中的に整備されたインフラの老朽化対策も喫緊の課題である。ただ、少子高齢化に伴う税収減や社会保障費増加に加え、足元の新型コロナウイルスへの対応などもあり、財政は一段と厳しさを増している。こうした中、インフラの新規投資や維持更新と公的費用の抑制を両立させるべく、PPPやPFIを活...続きを読む

JAPICの緊急提言から・2/科学的予測でリスク評価/ハザードマップ第2世代化を [2021年3月18日]

 東日本大震災発災から10年になる。この間、いわゆる「想定外」に関する多くの議論が行われ、気候変動に伴う近年の水害でも「経験したことのない」「考えてもみなかった」と言われる災害が続いている。こうした災害に対応するには、最大規模の外力による災害も含め、災害時の被災形態や程度に関する科学的なリスク評価を行い、対応が困難な事象などをあらかじめ知った上で、対策や訓練を進めていくことが重要になる。
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JAPICの緊急提言から・1/気候変動による豪雨、待ったなしの対応 [2021年3月17日]

 あらゆる関係者が協働で流域治水対策の計画や体制を強化する「流域治水関連法案」が今国会に提出された。事前放流や雨水貯留浸透対策、浸水対策など、ハードとソフトの両面から各種施策の実効性を高めて豪雨災害から国民の生命や財産を守るのが目的だ。治水対策は国家百年の大計。気候変動の影響により年々激甚化する豪雨災害対策は待ったなしの状況にある。同法の施行、推進はもちろんのこと、もう一歩踏み込んだ科学的で継続的...続きを読む