論説・コラム

回転窓/ロックと高齢化 [2015年5月21日1面]

 1960年代初めにデビューしたザ・ビートルズのメンバーとして、今なお世界で絶大な人気を誇るポール・マッカートニー。先月、ビートルズとしての初来日公演から半世紀ぶりとなる日本武道館のライブステージに立った▼72歳になった現役ロックミュージシャンの演奏と歌声に幅広い世代のファンたちが酔いしれた。若者の音楽とされてきたロックの世界でも高齢化が進む。昨年、8年ぶり6度目の来日公演を行ったザ・ローリング・...続きを読む

回転窓/建設業界の「特別な日」 [2015年5月20日1面]

 米大リーグで活躍するイチロー選手(マーリンズ)が18日(現地時間)の試合で2安打を放ち、伝説の強打者ベーブ・ルースの通算安打数に並んだ。数々の快挙を成し遂げてきたイチロー選手の功績は、日本の私たちに大リーグをより身近に感じさせてくれた点でも大きい▼そんな大リーグに今年も特別な日が近づいている。米国で5月の最終月曜日はメモリアルデーと称される「戦没将兵追悼記念日」。この日の試合に、各球団の選手は特...続きを読む

回転窓/上位20%の大量消費 [2015年5月19日1面]

 一部の酒好きな人がたっぷり飲み、そうでない人はあまり飲まない-。日本人のお酒の飲み方にはそんな集中傾向があるそうだ。周囲を見渡してみると、確かにうなずける点があるように思われる▼先日、経済協力開発機構(OECD)が加盟国など40カ国の飲酒事情について調べた報告書の内容を外電が伝えていた。それによると、日本は2012年の1人当たり年間飲酒量が純粋アルコール換算で7・2リットル。調査対象国平均の9・...続きを読む

回転窓/沈没船と安全保障法案 [2015年5月18日1面]

 浅田次郎さんに「シェエラザード」という小説がある。戦争中に多くの人々を乗せたまま撃沈された船を引き揚げ、戦後の平和と繁栄の中で忘れ去られそうな真実に向き合おうとする人々の話だ▼小説のモデルは大型旅客船「阿波丸」。第2次世界大戦中、赤十字の救援物資を運ぶために、連合国側に航海の安全を保証されながら、台湾沖で米国の潜水艦に撃沈された。民間人を含む約2000人が犠牲になり、米国政府は責任を認めたものの...続きを読む

回転窓/火山地域の不安解消を [2015年5月15日1面]

 ロープウエーの売り上げが前年比60%減と壊滅的な状況-。昨年10月ごろから火山活動が活発化している山形・宮城県境にある蔵王山。一大観光地とあって、地域経済に与える影響は極めて深刻なようだ▼宮城県蔵王町、山形市の蔵王温泉では宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、廃業に追い込まれた施設もあるとか。蔵王山が最後に噴火したのは1940(昭和15)年。75年前の状況を記憶している人はもう多くはない。周辺の風評被害...続きを読む

回転窓/神田祭と時代の変化 [2015年5月14日1面]

 江戸三大祭の一つ「神田祭」が、東京都千代田区の神田明神であすまで行われている。徳川家康が神田明神で戦勝祈願したところ、祭の時期に勝利したため、縁起の良い祭礼として幕府の年中行事とされたという▼神田明神の創建は奈良時代だが、江戸城拡張時に現在の地に移され、今年は遷座400年の節目に当たる。先週末に出掛けたら、勢いのある掛け声が飛び交う中でみこしを担ぐ場面に何度も遭遇した▼いかにも江戸っ子らしいと思...続きを読む

回転窓/業績修正相次ぐ今 [2015年5月13日1面]

 ここ1、2カ月ほどの間に本紙に掲載された企業関連の記事で、頻繁に登場する言葉が「上方修正」。上場建設会社の多くが15年3月期の業績予想を上方修正した▼円安による為替差益の発生や手持ち工事の採算改善などが要因。中には連結ベースの売上高が期初予想より数百億円増えると見込む会社もある。需要低迷にあえいだころと経営環境は様変わりしている▼2020年東京五輪に向けて建設需要が上向いているとはいえ、1年の業...続きを読む

外国人就労者受け入れ始動/中国から第1号来日/翁飛さん「家族のために頑張る」 [2015年5月13日1面]

 国土交通省の外国人建設就労者受け入れ事業が本格始動した。第1号となった中国人技能者が12日、中部国際空港に降り立ち、受け入れ企業の関係者に出迎えられた。
 入国したのは日本で技能実習を修了し中国に帰国していた翁飛さん(28)。特定監理団体のエコ・プロジェクト協同組合(岐阜市)の指導を受け、コンクリートポンプ(同)で今月15日から3年間、コンクリート圧送施工に従事する。空港で同社の加納岳人副社長...続きを読む

回転窓/まずは身近な存在から [2015年5月12日1面]

 担い手不足や技術・技能の継承という言葉を毎日のように新聞の紙面で見掛ける。それほどに建設業界では、人材の確保に関連する問題が各社の経営に重くのしかかっているということだろう▼日本経済が空前のバブル景気に沸いた1980年代後半も、人を採用したくても採用できないという危機に直面したことがある。しかし、人口減少と少子化が進む中で、おそらく今の方が危機意識は強いのではないか▼先日、家族と離れて海外で働い...続きを読む

ターニングポイント/飛島建設・伊藤寛治社長/経営者・稲盛和夫さんに感銘 [2015年5月12日3面]

 「本来が楽天的で、しかも流されるタイプ。ただ、ある事がきっかけで人生において劇的に何かが変わったという経験はない」と話すのは飛島建設の伊藤寛治社長。そんな伊藤社長が会社人生で感銘を受けた一人に挙げるのが、京セラや第二電電(現KDDI)を創業し、日本航空の再建にも腕を振るった経営者・稲盛和夫さんだ。
 40代後半のころに、脱サラ後に苦労を重ねて成功を収めた高校時代の友人から稲盛さんの講演録をもら...続きを読む

回転窓/「貧乏暇なし国」 [2015年5月11日1面]

 黄金週間(GW)が終わり、きょうから出社という方もおられよう。今年のGWは天候に恵まれ、行楽地に繰り出した人が例年よりも多かったという▼GW中の混雑を避け、自宅で寝正月ならぬ『寝GW』を決め込んだ方もいるだろう。心地よい気候の中で、昼間からビール片手に読書三昧(ざんまい)、テレビ三昧も悪くない。休日はそれぞれがリラックスして過ごせればそれでよい▼コラムニストの天野祐吉さんが、雑誌「広告批評」の「...続きを読む

回転窓/花をめでる [2015年5月8日1面]

 現代人は、花見といえば普通は桜を思い浮かべるだろうが、江戸の人々には、桜に限らず多くの花々をめでる慣習があったらしい。「梅に始まり菊に終わる」との古い言葉もある▼江戸時代に桜の花見が普及する前は梅見が一般的だったそうで、その名所が今も続く亀戸天神(東京都江東区)。梅から桜に移り、その後はツツジ、藤、蓮、菊なども観賞するようになった▼こうした流行に目を付け、江戸後期には境内に庭園を整備した寺社も多...続きを読む

回転窓/そば派?うどん派? [2015年5月7日1面]

 インターネットのニュース配信サイトが今年1月に20~60代の男女1500人に調査したところ、全国ではそば派が37・3%、うどん派が62・7%だったという▼予想外にうどん派が多い気もするが、北海道・東北では両者50%ずつ、関東ではそば派が41・5%、うどん派が58・5%だった。うどん派は西に多く、もちろん最多は「うどん県」香川を抱える四国の81・6%▼どちらも庶民に愛される伝統食だが、栄養学的に優...続きを読む

回転窓/にぎわい見せる道の駅 [2015年5月1日1面]

 先日、車で東京から栃木方面に出掛ける機会があり、途中、話題の「道の駅」に立ち寄ってみた。特産品の販売やこだわり食材を使った手作りアイスなどを求めて長蛇の列ができていた▼全国1000カ所を超えた道の駅は、安全・快適に道路を利用するための施設提供とともに、地域のにぎわい創出の目的でも設置されている。政府を挙げて取り組む地方創生の拠点としても期待は高い▼そんな道の駅が先ごろ、第7回日本マーケティング大...続きを読む

回転窓/私的使用の代償 [2015年4月30日1面]

 哲学者の鷲田清一さんが近著『哲学の使い方』(岩波新書)の中で、「知性」の「私的使用」と「公共的使用」ということについて書いている▼私的使用とは、特定の社会や集団の中で自らにあてがわれた地位や立場に従って振る舞うこと、言い換えれば「割り当てられた職務を無批判的に全うすること」。公共的使用とは、そうした職務や地位、業務を離れ、市民社会の成員として自らの知性を用いることという▼「知性」を「技術」に置き...続きを読む