論説・コラム

回転窓/反転攻勢は建設分野で [2016年1月15日1面]

 「2位じゃダメなんでしょうか」。民主党政権時代の事業仕分け。次世代スーパーコンピューターの開発予算をめぐり蓮舫参院議員の放った言葉が流行語にもなってだいぶ年月がたつ▼仕分けで予算が削減されたスパコンの世界1位は中国へ。直近ランキングで日本は4位だそうだ。この事例は、一度引き離されると容易には取り戻せない科学技術分野の厳しさを象徴する▼仕分けの印象が強かったのか、日本の技術を支える技術士の資格取得...続きを読む

回転窓/進学の目的見誤らないで [2016年1月14日1面]

 年が明けて入試シーズン本番。受験生は最後の追い込みである。これまでの努力が実を結び、志望校に合格することを願うばかりだ▼夢に向かって努力する人がいる一方、他力本願で夢をかなえようとする人も…。大学入試センター試験で、この10年間に替え玉受験やカンニングなどの不正行為が計65件あったという。そのうち監督官の指示に従わず、試験終了後も記入をやめなかった例が半数以上を占める▼不正に関与した受験者には、...続きを読む

日鳶連/国交省で新年祝いの木遣り披露 [2016年1月13日1面]

 日本鳶工業連合会(日鳶連、永井克弘会長)が12日、国土交通省で江島潔政務官ら幹部を前に新年の「祝いの木遣り」を披露した=写真。
 永井会長は日鳶連発足から50年が経過することを紹介した上で、「社会保険に全員が加入して安心して働ける職場づくりに取り組みたい」と新年の決意を表明。続いて木遣り師が「新玉の年の初めのことほぎをめでたく祝い奉る」と声高らかに木遣りを披露した。江島政務官は「若い働き手の確...続きを読む

回転窓/妖怪のまちづくり [2016年1月13日1面]

 漫画家の水木しげるさんは10代のころ、鉱業技術者を養成する学校に通っていた時期がある。英語の成績が振るわなかったようで、教師に呼び出された時にこう提案した▼〈いまやアメリカへ石炭掘りに行くわけにもいかんから、英語なんかやるよりマレー語でもやったほうがいいのではないか〉。英語教師は激怒したが、職員室にいた他の教師は爆笑したという(『人生をいじくり回してはいけない』筑摩書房)▼そんな独特の考え方とセ...続きを読む

回転窓/若者に寄り添う気持ちも [2016年1月12日1面]

 「成人の日」となったきのう、建設業で働く人たちの中にも新成人を迎えられ、人生の節目を祝った方がおられよう▼この時期、各業界団体の新年賀詞交歓会を取材することが多い。団体の首脳や経営トップのあいさつを聞くと、若年労働者の確保・育成に向けて「給与、休暇、希望の『3K』」の大切さを強調する方が、例年に比べ一段と増えたように感じる▼現場の第一線で働く技能労働者の確保・育成は、業界を挙げて取り組まなければ...続きを読む

建設業「命」の現場で・15/第3章・線引きと選択と/変化する意向のはざまで [2016年1月12日12面]

 宮城県山元町は昨年12月、東日本大震災の復興事業として整備を進めてきた新市街地の住宅団地を対象に、5度目となる分譲・借地希望者の募集を行った。空いていた62カ所が対象だったが、すべて埋まるには至らなかった。これまでは被災者だけを募集対象としていたが、次回以降は町外を含む一般からの申し込みも認める方向で国と調整している。
 同町では、沿岸域の集落などが津波で大きな被害を受けたため、津波復興拠点整...続きを読む

回転窓/名城が与える力 [2016年1月8日1面]

 「熊本から旅を始めました」。友人から、そんな便りが届いた。勤めた会社を昨年末に辞め、再起を図るための旅だそうだ。最初に立ち寄った熊本城の写真が添えられていた▼便りを読みながら、10年前に熊本城の本丸御殿の復元工事を取材したのを思い出した。古絵図や明治初期の西南戦争で焼失する前に撮られた写真、同時代の建物様式を参考に、くぎを一本も使わない伝統技法を駆使して忠実に復元するものだ▼現地では、建物の土台...続きを読む

回転窓/若者を交えて考える [2016年1月7日1面]

 「今の政治はイマイチだ」。正月に会った親戚の小学4年生がぼやいていた。「10歳でも投票できるよう運動してみなよ」と言うと、にやりとしていた。それは極端だが、若者の政治参加は大事▼今夏には、選挙権年齢を18歳以上に引き下げて初となる参院選が行われる。新たに選挙権を手にする18~19歳は約240万人で、有権者全体の約2%を占めるという。政治の側には、若者の関心を高めるチャンスとして、説明責任がより求...続きを読む

回転窓/「一年」の定義 [2016年1月6日1面]

 年明けの東京は、早くも春が来たような陽気が続いた。新年の仕事始めから、きょうは3日目になる。しばらくの休みと、この間の暴飲暴食でなまった頭と体も、そろそろ平常のペースを取り戻す頃合いだろうか▼希望に満ちた新たな年の始まりに水を差すようで気が引けるが、ビアスの「悪魔の辞典」は、「一年」という言葉を〈三百六十五回の失望から成る一期間〉と定義している(『新編/悪魔の辞典』西川正身編著、岩波文庫)▼読者...続きを読む

インタビュー/日本大学法学部・福田充教授/危機管理学部開設の狙いは [2016年1月6日20面]

 ◇災害対応の専門家養成
 大地震や豪雨、火山噴火などによる自然災害が起きた時の対応は、建設産業の大きな役割の一つでもある。こうした災害リスクを事前に予防し、かつ災害が起きたときの対応を迅速に行えるエキスパートを育成しようと、日本大学に今年4月、「危機管理学部」が開設される。危機管理学部の開設準備に携わってきた日大法学部の福田充教授に、新学部を開設する目的や教育内容などについて話を聞いた。
 ...続きを読む

回転窓/頑張りが形を表す年に [2016年1月5日1面]

 年末年始の休暇があっという間に過ぎ去り、きのうが新年の仕事始めだった方も多いだろう。もう少しおとそ気分に浸っていたい誘惑を何とか断ち切り、重い足取りで職場に向かった人も少なくないと思われる▼さて、2016年の干支は丙申(ひのえさる)である。これまでの頑張りが形になって表れるという意味があるそうだ。ちなみに、前回の丙申は1956(昭和31)年。当時の日本は、神武景気の真っただ中にあり、「もはや戦後...続きを読む

回転窓/16年は「連」がキーワード [2016年1月4日1面]

 元日に発行した本紙新春企画特集号で、ゼネコンで働く申年生まれの男女29人が〈16年の抱負〉を披露している▼入社20年以上のキャリアを持つベテランは「考えるな!感じろ!」と、ブルース・リー主演映画『燃えよドラゴン』のせりふで意気込みを表現。余計な固定観念を持たずに思考していきたいという▼社会人2年目を今年迎える土木技術者は「毎日、『今日も充実した日だった』と感じる余裕を持ちたい」と前向き。建築技術...続きを読む

回転窓/ゆかしい人 [2015年12月28日1面]

 「厳しいという言葉は使いたくない。これが“常態”なんだ」。22日に都内で開かれた清水建設相談役の故・野村哲也氏(元社長・会長)のお別れ会で生前の写真を眺めながらふと思い出した言葉だ▼野村さんは99年に社長に就任され、バブル崩壊後の厳しい時代に経営のかじ取りをされた。03年の新年のインタビュー時に「厳しい、厳しいと嘆いてもしょうがない。これが当たり前だと思えば前向きになれる」と答えていた▼激化する...続きを読む

展望2016・下/ゼネコン、担い手確保が最重要課題/協力会と一体で取り組み [2015年12月28日1面]

 ◇女性にも大きな期待
 2020年東京五輪に向けて関連施設やインフラの整備が本格化する。急増するこれらの需要に対応することはもちろん、業界の存続を懸けて、ゼネコン各社は今後、協力会社と共に担い手の確保・育成に全力を注ぐことになりそうだ。
 技能労働者の処遇に直結する公共工事の設計労務単価はこの数年で大幅に引き上げられたが、行き過ぎた重層下請構造の影響もあり、引き上げ効果が末端の労働者まで十分...続きを読む

展望2016・上/ゼネコン、収益基盤安定に注力/グループ経営加速へ [2015年12月25日1面]

 ◇試される「現場力」
 建設投資が堅調に推移した2015年。ゼネコン各社は採算重視の受注活動を一段と徹底。手持ちの不採算工事もなくなり、利益を大きく伸ばした企業も多い。16年も市場は引き続き底堅く推移するとみられているが、労務需給や資材価格の動向など懸念材料もある。各社は回復基調の利益を安定的に伸ばす取り組みや、収益基盤を多様化・強化する施策に力を注ぐことになりそうだ。各社トップへのインタビュ...続きを読む