論説・コラム

回転窓/外国人観光客を地方創生に [2015年3月30日1面]

 年度末を迎え、この時期は歓送迎会などで飲食店に行く機会が増える方が多いのではないだろうか。東京・新橋のなじみのガード下の飲食店も連日盛況で、景気の回復を感じさせる▼ただし、客層や店の雰囲気は以前と異なる。この店は外国人観光客向けガイドブックでリーズナブルな居酒屋として紹介されたため外国人が増加。店内には聞き慣れない言葉が飛び交う。電車が通過するたびに揺れを感じながら、日本の食文化を味わってもらう...続きを読む

成田空港会社/第1PTBに歌舞伎ギャラリー開設/訪日外国人らに伝統文化紹介 [2015年3月30日5面]

 成田国際空港会社が成田空港の第1旅客ターミナルビル(PTB)内に整備していた歌舞伎体感型ギャラリー・ショップ「Kabuki Gate」が27日、オープンした。施設全体の監修を松竹が担当。同日の記念式典には両社の関係者のほか、歌舞伎俳優の四代目中村雁治郎さんが来賓として出席し、日本の魅力を発信する新施設の開業を祝った。式典の冒頭、成田空港会社の夏目誠社長は「歌舞伎は日本を代表する伝統芸能であり、外...続きを読む

回転窓/週末は桜ブレークを [2015年3月27日1面]

 東京は今週末、寒の戻りから一転して、暖かな春の陽気を迎えるという。各地でつぼみを膨らませた桜が一斉に開花しそうだ▼桜の開花予想に使われる代表品種は「ソメイヨシノ」。江戸末期から明治初頭に、染井村(現在の東京都豊島区駒込)で植木職人らがエドヒガン系の桜とオオシマザクラを交配して作り上げたとされる。この通説に一石を投じたのが、千葉大学が発表した東京・上野公園に現存する1本を原木とする新説だ▼千葉大は...続きを読む

回転窓/秘仏に願いを… [2015年3月26日1面]

 江戸時代の2人の仏師、円空と木喰の木彫り像を集めた展示会を見た。切り込み跡が荒々しく、力強さが特徴的な円空。柔らかく、丸みを帯びた像を多く残した木喰。彫り方は全く異なるが、どちらの仏像・神像にも同様の温かさを感じる▼各地を巡りながら作り上げた数々の像は人々から深く信仰された。見る者に荘厳さや畏怖の念を抱かせる像とは異なり、素朴なぬくもりに満ちた像だからこそ、庶民に愛され続けたのだろう▼一方で、人...続きを読む

回転窓/造らない現場に挑む [2015年3月25日1面]

 東日本大震災からの復興に向けて歩む福島県。県を訪れる観光客数は回復傾向にあるが、福島第1原発事故の影響はいまだ大きい。事故の収束とともに、対象地域で進められている放射性物質を除去する除染作業が急がれる▼本紙1面に「除染-『造らない』現場に挑む」が24日まで計7回掲載された。国が直轄事業で除染を行う除染特別地域。この地域を取材し、どのような体制で除染が実施されているかをリポートした▼対象となるエリ...続きを読む

回転窓/国産木材を使おう [2015年3月24日1面]

 こう書いたのを読んだだけで鼻がむずむずする方もおられよう。3月も下旬に入り、東京ではスギ花粉の飛散はピークを越えたようだが、4月にはヒノキ花粉がピーク。いましばらく辛抱が必要だ▼今や国民病ともいえる花粉症。遠因は戦後の木材需要急増に対応して国が進めた拡大造林政策といわれる。広葉樹林を伐採し、成長が速く商品価値の高いスギやヒノキを大量に植える政策である▼だが当ては外れ、安い外材に押されて国産材の需...続きを読む

回転窓/外国人受け入れの覚悟 [2015年3月23日1面]

 先週、閉幕した国連防災世界会議では、かつてないほど大勢の外国人が杜の都・仙台を訪れた。不慣れな海外からの客人への対応に地元の方も戸惑ったようだ▼タクシーの運転手さんは、2人の外国人を乗せると後部座席右側ドアからも降車されてヒヤリとしたという。「何かあったらこちらの責任になるんですかね」と苦笑い▼東京行き新幹線を待つ乗客の先頭にいた中東系の3人の紳士は、のんびり会話をしながら新幹線に乗り込むと、後...続きを読む

回転窓/病巣は存在し続ける [2015年3月20日1面]

 「もう」というべきか、「まだ」というべきか-。日本の安全神話を揺るがしたあの事件から20年がたつ。年初に起きた阪神大震災という都市部を襲った未曽有の災害の余韻が残る中での地下鉄サリン事件。カルト教団が起こしたこの無差別テロは世界を震撼(しんかん)させた▼優秀な頭脳を持った若者たちが、なぜ一人の教祖に身を委ね、あのような犯罪に手を染めていかざるを得なかったのか。当時そのことが不思議でならなかった▼...続きを読む

回転窓/防災会議から世界へ [2015年3月19日1面]

 仙台市で開かれていた第3回国連防災世界会議が、18日で閉幕した。メーン会場は世界各国からの会議出席者や報道関係者らの熱気であふれていた▼パブリックフォーラムとして、多数のシンポジウムも開かれた。建設に関連する企画も多く、立ち見が出る会合もあった。興味深かったのは、業界関係以外の参加が目立ったことだ▼宮城県建設業協会らが開いたシンポジウムでは、参加した1000人のうち、半数が一般からの応募だったと...続きを読む

回転窓/学校の耐震補強にひと言 [2015年3月18日1面]

 先週末に自宅のある町をそぞろ歩きしていると、小学校の生け垣を大人たちがきれいに刈り込んでいた。今週開く卒業式の準備であろうか。巣立っていく児童たちへのはなむけとあれば精も出よう▼別の小学校には、いつの間にか見慣れないプレハブ校舎が立っていた。校舎を耐震補強する工事のための仮設教室だ。かつて同じように工事が始まった小学校に子どもを通わせる保護者から聞いたことがある。工事期間が知らされただけで、何を...続きを読む

回転窓/花見ができる環境は [2015年3月17日1面]

 3月も半ばを過ぎた。朝晩の冷え込みが緩んだのに加え、花粉症の不快な症状が本格的な春の訪れを感じさせてくれる。半月後に迫った新年度を前に進学に就職、転勤など新生活の準備に忙しい方も多かろう▼この時期、日本人として気になるのは、やはり桜がいつ開花するか。日本気象協会の予測によると、今年のソメイヨシノの開花は「平年並みか早い見込み」だそう。今週末に高知から桜前線の北上がスタート。西日本から東日本にかけ...続きを読む

回転窓/祝・北陸新幹線金沢延伸 [2015年3月16日1面]

 地元が待ちに待った北陸新幹線長野~金沢間が14日開業した。先週まで本紙3面に連載された北陸地方にゆかりのある企業の幹部の方々の言葉をお借りして開業をお祝いしたい▼新幹線の開業で最も期待されるのが観光客の増加である。富山県黒部市に製造拠点を構えるYKK・YKKAPの吉田忠裕会長兼CEOは、富山県の魅力を「飾らない大自然」という▼同砺波市が創業地である佐藤工業の宮本雅文代表取締役兼専務執行役員は「水...続きを読む

回転窓/先見、先導、慈愛 [2015年3月13日1面]

 自宅の近所にあるロウバイがようやく満開になった。ロウバイの開花時期は東京では1~2月。このロウバイは遅咲き品種で、花が咲くと三寒四温を感じるようになる▼ロウバイは漢字で書くと「蝋梅」。透明感がある黄色の小さな花は蝋細工のように見える。蜜蝋を思わせる花弁と、臘月(ろうげつ、旧暦12月)に花を咲かせることが名前の由来だそうだ▼このロウバイを好んだのが作家の芥川龍之介。〈臘梅や雪うち透す枝のたけ〉の句...続きを読む

北陸新幹線長野~金沢間、3月14日開業/東京から最速2時間半 [2015年3月13日1面]

 北陸新幹線の長野~金沢延伸区間(約232キロ)が14日、開業する。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が整備主体となって1992年8月から建設工事を進めてきた。営業主体は長野~上越妙高間がJR東日本、上越妙高から先がJR西日本。東京~金沢間が最速2時間28分で結ばれる。
 JR東日本の冨田哲郎社長は「沿線地域だけでなく、日本全体を元気にする北陸新幹線は新しい時代の鉄道。JR西日本と連携し、安全・安心...続きを読む

回転窓/松原の価値 [2015年3月12日1面]

 駿河湾に突き出た静岡市清水区の三保半島。海岸線約7キロにわたって数万本ものクロマツが生い茂る名勝「三保の松原」は、福井県敦賀市の気比の松原、佐賀県唐津市の虹の松原と並び、日本の三大松原と称される▼右手に青い海、左手に緑の松原、その正面に雄大な富士山を臨む景観は、古くから文学や芸術などに取り上げられた。こうした文化的価値が認められ、世界文化遺産として富士山との一括登録を果たした▼三保松原の中には、...続きを読む