論説・コラム

回転窓/みなみらんぼうさんと東日本大震災 [2015年2月9日1面]

 NHKの「みんなのうた」は、5分間の音楽番組として1961年にスタート。これまでに1300曲以上が放送された。「北風小僧の寒太郎」「ちいさい秋みつけた」「森の熊さん」…▼年代によって違えど、誰しも心に残っている歌があるのでは。この番組からヒットした歌も少なくない。「山口さんちのツトム君」もその1曲。作詞・作曲者のみなみらんぼうさんにインタビューをする機会を得た▼みなみさんの出身地は東日本大震災の...続きを読む

回転窓/「中小企業団体の歌」に思う [2015年2月6日1面]

 毎年取材する専門工事業団体の新春賀詞交歓会。冒頭の君が代に続き「中小企業団体の歌」を出席者全員で歌うのが恒例になっている。〈♪国の礎中小企業/精神(こころ)は一つ団結の~〉。高原泰助氏がつづった歌詞を、作曲家・飯田信夫氏の軽快なメロディーに乗せて歌う▼「相互扶助」の精神を発揮し、組合の使命や理想の実現に向けて共に活動する様子を表現したこの曲。高い志を抱いて中小企業者が団結するよう鼓舞する内容にな...続きを読む

回転窓/中間貯蔵施設への道のり [2015年2月5日1面]

 福島第1原発事故に伴う除染で発生した汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に向けた工事が3日、福島県双葉、大熊両町で始まった。2カ所の保管場を先行整備する事業で、震災から4年となる3月11日までの搬入開始を目指すという▼汚染土などは、各地に分散して仮置きされたまま。対応が急務であることは誰もが認識しているが、地権者や住民の理解を得るのは難しい。「元の故郷を返してほしい」「できるならば帰りたい」。...続きを読む

回転窓/一冊の本をめぐる逡巡 [2015年2月4日1面]

 仕事帰りによく立ち寄る書店でこのところ、ある本を買おうか買うまいか逡巡(しゅんじゅん)している。大量に平積みされたのを一冊手に取って中をぱらぱら。レジに行き掛けてはまた戻り…▼その本とは、昨年来話題のベストセラー、トマ・ピケティ著『21世紀の資本』(みすず書房刊)。既に13万部が売れ、先週にはフランスから著者が来日。講演などをしてニュースになった▼ベストセラーに安易に手を出す軽薄も嫌だが、書店で...続きを読む

回転窓/豆のぶつけられ役は [2015年2月3日1面]

 きょう3日は節分。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまく方も多かろう。立春の前日に行われる節分の豆まきは800年代後半、宇多天皇の時代に始まったともいわれる▼お払いをした豆をぶつけて邪気を払い、一年の無病息災を願うという意味がある。鬼にとっては迷惑な話だが、豆まきをすると何だか良いことがありそうな気になるから不思議である▼一家の家長や年男が豆をまいて鬼を追い払うのが本来の姿とされるが、最近は...続きを読む

回転窓/公共事業と教育 [2015年2月2日1面]

 先週末、都内で雪が舞った。この時期に雪が降ると、ふと受験生たちのことが気に掛かる。試験会場に時間通りに間に合っただろうか、と▼受験シーズン真っ盛り。先月行われた大学入試センター試験は約56万人が受験。学習指導要領の改定で、学習範囲が広い新課程を学んだ生徒と、旧課程の生徒が混在して挑んだ。理科と数学では両課程用に二つ問題が用意され、試験後に得点調整を行って公平性を期したというが、国の教育方針の変更...続きを読む

回転窓/レトロな街の知恵と工夫 [2015年1月30日1面]

 東京・西荻窪の街は近年、古美術や古道具の店が集まる都内有数の骨董街として知られる。その数60店を超え、お宝目当てに訪れる人が絶えない。30年ほど前には数軒の骨董屋しかなかったが、店主らが同業者に呼び掛け、出店の世話までしたのが骨董街形成の始まりらしい▼西荻窪は繁華街・吉祥寺の隣だが、JR西荻窪駅周辺には細い路地と木造長屋の古い飲食店街が残る。開発の波には取り残されたが、こうした昭和の面影と骨董の...続きを読む

回転窓/野球で途上国支援 [2015年1月29日1面]

 途上国支援の一環で、国際協力機構(JICA)と読売巨人軍が野球を通じたボランティア事業に関する業務協力協定を結んだ。球団が持つ指導・育成ノウハウを活用し、現地での野球の普及・振興と併せ、青少年の健全な育成を支援することが目的だ▼初弾としてジャイアンツアカデミーが行う少年野球教室の指導者を中米・コスタリカに来月下旬に派遣。専用の指導テキストが中南米で広く活用できるよう、スペイン語への翻訳も行うとい...続きを読む

回転窓/失敗から生まれるもの [2015年1月28日1面]

 「払拭(ふっしょく)したかった」。25日に開かれた大阪国際女子マラソンで日本勢最高の3位に入賞した重友梨佐さん(天満屋)がそう語った▼払拭したかったのは、前回大会で64位に終わった失敗。12年大会では優勝し、ロンドン五輪代表になった力のある選手だけに、前回の成績によほど悔しい思いがあったのだろう▼失敗には「よい失敗」と「悪い失敗」の2種類がある-。工学者の畑村洋太郎氏が、ベストセラーとなった自著...続きを読む

回転窓/風邪、恐るべし [2015年1月27日1面]

 朝の満員電車で、目の前の7人掛けシートに座る人のうち5人がマスクをしていた。立つ場所を思わず移動したくなる風景である▼人は生涯に200回ほど風邪をひくという。鼻づまりやせき、のどの痛みなどの不快な症状に苦しむ期間を合計するとおよそ5年、床に就く時間は1年にも及ぶというから大きな損失だ。風邪の研究を紹介した『かぜの科学 もっとも身近な病の生態』(ジェニファー・アッカーマン著、早川書房刊)から引いた...続きを読む

回転窓/震災遺構と防災対策庁舎 [2015年1月26日1面]

 阪神大震災から20年が経過し、多くの特集記事や特番が組まれた。横倒しになった阪神高速道路、黒煙を上げ燃え盛る市街地…。当時の映像を見てさまざまな記憶がよみがえった。人間の記憶とは頼りないものだ。日常に追われ、目の前のことしか見えなくなる▼東日本大震災から3年10カ月が過ぎた。被災地が最も懸念するのは、時間とともに震災が忘れ去られることだ。鎮魂や災害文化の継承を目的に、宮城県の有識者会議が南三陸町...続きを読む

回転窓/「ニッポンの土木力」示すリング [2015年1月23日1面]

 東京の都心部をリングで囲むように走る延長47キロの首都高速道路中央環状線。最後の整備区間となる品川線が3月7日に開通する▼1963年、都心を中心にした3環状9放射の道路ネットワークが計画されてから52年。3環状の最も内側に位置する最初の輪がようやく全通することになる▼東名、中央、関越、東北道など放射路線の整備が進む一方、環状路線の整備の遅れが都心の慢性的な渋滞の一因とされてきた。今回のリング完成...続きを読む

回転窓/ストーブ列車と地産地消 [2015年1月22日1面]

 青森・津軽地方を走るローカル線の「津軽鉄道」。その冬の風物詩にストーブ列車がある。昔ながらのダルマストーブが活躍しており、スルメイカを買うと焼いてくれるサービスも▼地元産のスルメイカをつまみに日本酒を一杯やりながら暖を取る。何ともぜいたくな時間。老朽化が進んだ車両には時折、雪も吹き込んでくるが、津軽弁のアテンダントと話すと身も心も温まる▼ダルマストーブの燃料は石炭。以前は輸入炭を使っていたが、国...続きを読む

回転窓/卒業旅行の季節に [2015年1月21日1面]

 この時期、旅行会社の店舗では「卒業旅行」と大きく印刷されたパンフレットが目を引く。もうすぐ卒業する学生向けのものだが、国内外のツアー企画もさまざまで面白い▼気になるのはどれくらいの学生が卒業旅行に出掛けるのか。昨年10月にJTBがホームページ会員サービスの登録者を対象に実施したアンケートでは、回答者約490人の8割以上が「行ったことあり(予定あり)」だった。人気の旅先は、海外がフランス、イタリア...続きを読む

回転窓/先端技術で不安解消 [2015年1月20日1面]

 年明け早々、ぎっくり腰になり、かなり不自由な生活を強いられている。「急性腰痛」「椎間ねんざ」などとも呼ばれるぎっくり腰。何の前触れもなく、ふとした拍子に突然、激痛に襲われて動けなくなるから厄介である▼どうしたらぎっくり腰になるのか、原因はさまざま。何かの拍子に腰椎が瞬間的にずれ、腰の筋肉がその負荷に耐え切れず炎症を起こす、というのがメカニズムらしい。筋肉疲労、骨格のゆがみ、いきなりの過負荷が発症...続きを読む