論説・コラム

回転窓/1カ月たって「ゆう活」は… [2015年8月4日1面]

 小欄でも既に何度か取り上げている東京・霞が関の官庁で導入された「ゆう活」。通常よりも朝早くに仕事を始め、その分、夕方は早めに仕事を切り上げて家庭での時間や余暇を楽しもうという取り組みである▼鳴り物入りで始まったこの活動。初日には、安倍晋三首相が率先して仕事を早く切り上げ、都内の美術館を訪問。同行した記者にご機嫌な表情を見せるなど、自らPR役を務めていた。さて、1カ月たってどうなったのだろうと気に...続きを読む

担い手確保・育成-専門工事業4団体が取り組み事例発表会/国交省主催、横の連携に期待 [2015年8月4日14面]

 建設産業が将来にわたって持続していくために、今取り組まなければならないのが担い手の確保・育成だ。各専門工事業団体による活動の好事例を広く普及させようと、国土交通省が主催した取り組み発表会が7月15日に開かれた。発表したのは、全国基礎工業協同組合連合会(全基連)、全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)、日本塗装工業会(日塗装)、全国建設室内工事業協会(全室協)の4団体。国交省は、発表事例を参考にしながら、各...続きを読む

回転窓/パルテノン神殿でストック効果 [2015年8月3日1面]

 「地下のパルテノン神殿」。埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路はよくこんなふうに表現される▼この放水路は、台風などの洪水時に中川流域の洪水の一部を地下トンネルを通じて江戸川に排水し、首都圏を水害から守る目的で06年度に完成した。ポンプ施設や導水路などは桁外れの大きさで、世界最大級の地下河川と言われる▼中でも圧巻なのが水の勢いを調整する調圧水槽。長さ117メートル、幅78メートル、高さ18メートル...続きを読む

設計者選定-プロポーザル方式の導入拡大/市町村に支援必要/国交省ら実態調査 [2015年7月31日12面]

 公共建築物の設計者選定にプロポーザル方式を導入する地方自治体が増えている。国土交通省と自治体が共同で3年ごとに行っている実態調査によると、都道府県と政令市で13年度にプロポーザル方式を1件以上実施した団体の割合は、前回調査を上回り6割近くに達した。プロポーザル方式は、質の高い建築設計が期待できるとして、国交省もその導入を推奨している。市町村でも実施割合は増えているが、まだ2割未満と低調だ。実態調...続きを読む

回転窓/外で遊ばぬ子どもの言い分 [2015年7月31日1面]

 今週に入り、通勤電車の車内から学生が減り、夏休み到来を実感した方も多いのではないか。静かな車内を見ながら、出勤前に隣家の子どもが母親に勉強を促される声を聞いたことを思い出し、夏休みの宿題だったかと得心した。塾やサッカークラブに通っているから宿題は負担だろう▼最近は、昔に比べると屋外で遊ぶ子どもの姿がずいぶん少なくなったように思う。国の調査によると、塾通いや習い事の多さ、パソコンや携帯端末によるゲ...続きを読む

回転窓/運用で高まるインフラの価値 [2015年7月30日1面]

 本社がある東京・新橋までの通勤に利用するJR東海道線。その車内広告に最近、見慣れぬ地域の広告が増えた。埼玉や群馬、栃木など北関東方面の商業施設やマンション、観光イベントの案内などが目立つ▼3月に「上野東京ライン」が開業。従来は東京駅止まりだった東海道線が高崎線や宇都宮線と相互直通運転を始めた効果の一つだろう。沿線の民間企業などは、これまでより遠くからも人を呼び込もうとPRに熱がこもる▼上野~東京...続きを読む

海外事業拡大で重要性増す保険選択/広がるリスクどうカバー/補償内容の精査不可欠 [2015年7月29日12面]

 ゼネコン各社が収益基盤の強化に向けて海外事業に一段と力を入れている。1000億円近い大型プロジェクトの受注に加え、企画・設計といった川上段階からの事業参画、海外の得意先から特命受注など、規模拡大とともに受注戦略も多様化している。一方で、工事中の損害や現地特有の商慣習、想定が難しいテロや疫病など、対応すべきリスクの範囲も広がり、備えのあり方が問われている。リスク対応のツールとして、保険の重要性も高...続きを読む

回転窓/なくなる仕事と生まれる仕事 [2015年7月29日1面]

 テクノロジーの進歩で「職業」はどう変化していくか。4月に出版された『あと20年でなくなる50の仕事』(水野操著、青春出版社刊)の著者は、今後なくなってしまうかもしれない仕事や、逆に新しく生まれてくるかもしれない仕事を展望している▼コンピューターが徐々に仕事を奪っていくであろう職業に挙げられているのは、単に売るだけの営業マンや長距離ドライバー、電気や水道、ガスのメーターをチェックする周回業務など。...続きを読む

回転窓/役所の粘り腰 [2015年7月28日1面]

 役所が定めた規制には実にさまざまなものがある。それらの多くは、一度決めると、廃止はおろか変更も難しいのが常。そのうちに現実と規制とがどんどん乖離(かいり)していく▼先日読んだ小さなニュースで、そんなことをあらためて考えさせられた。厚生労働省は「美容師は男性にカットのみのサービスを行ってはならない」とした通知を廃止したという。通知は旧厚生省時代の1978年に局長名で出し、併せて理容師が女性にパーマ...続きを読む

拡大市場-物流デベロッパーの戦略・下/「雇用確保」重視し適地選定 [2015年7月27日1面]

 物流拠点の適地は、さまざまな要素で評価される。事業採算に直接関わる「賃料」に続いて最近注目されるのが、施設で働く「労働者」確保の容易さだ。物流デベロッパーのトップは異口同音に、高速道路など幹線道路へのアクセスの良さ以上に「雇用確保」を重視するテナントの意識が強まっていると指摘する。東京のベッドタウンとして開発が進んだ千葉ニュータウン(NT)。NT中心部に位置する千葉県印西市内で、グッドマンジャパ...続きを読む

回転窓/「朝活」の効果と悩み [2015年7月27日1面]

 何もなければ午後9時には寝てしまう。当然ながら、翌朝5時前には目が覚める。すぐ外に出て7・5キロほど走って汗をかき、シャワーを浴びてゆっくり朝食を取る。食後のコーヒーを楽しむ余裕も▼霞が関の「ゆう活」ならぬ、朝を楽しむ「朝活」を始めてちょうど1年。健康を考えて走り始めたが、朝の時間を大切にすると、思いのほか1日を有効活用できる。頭がリフレッシュされた状態なので、走りながら仕事のアイデアが浮かぶこ...続きを読む

回転窓/廃校をどう利用するか [2015年7月24日1面]

 少子化や過疎化を背景に、過去10年で2000校以上の公立学校が廃校になっているという。残った校舎をどう扱うかは、地方自治体にとって悩みの種だ▼文部科学省は、廃校を積極的に利用した事例として「50選」をホームページで紹介している。デイサービス施設など高齢者向けの事例が多いのは、超高齢社会に入った日本の現状の反映だろう。その他事例も、地域コミュニティー拠点など、今いる住民を主な対象にした事例が目立つ...続きを読む

回転窓/コンペから広がるつながり [2015年7月23日1面]

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町が復興の橋デザインコンペを行った。1案に絞り込むことができず、2案を優秀賞としてさらに精査することに▼「『決定したが駄目でした』となってはいけない。実現性という視点も含めて考えざるを得ない」。佐藤仁町長は、慎重な判断を下した理由をこう話した▼コンペには、復興へと進む同町への関心を高める狙いもあった。代表が35歳以下という条件だけで、子どもでも応募可能にした。「...続きを読む

拡大市場-物流デベロッパーの戦略・中/標準化するハイスペック施設 [2015年7月23日1面]

 ◇建設コスト上昇への対応課題
 多層階で延べ床面積が数万~10万平方メートルを超えるマルチテナント型物流施設(LMT)。ランプウエーやスロープを設けてトラックが上層階に直接乗り入れ、各階には広い車路と高床式のトラックバースを備える。一度に数十台のトラックが同時に積み降ろし作業ができ、フロア単位・区画ごとの複数テナントへの賃貸も容易だ。こうしたLMTの標準仕様に加え、近年は免震構造や非常用発電機...続きを読む

回転窓/朝も夜も早くが大事 [2015年7月22日1面]

 長時間労働を断ち切る方法として早朝勤務を推し進める動きが官民で活発化している。霞が関の官庁街では「ゆう活」と銘打ち、7月と8月は朝早くに仕事を始め、早く退庁する運動を展開中だ▼民間企業でも、深夜残業を禁止し、早朝勤務で手当を増額したり、朝食を提供したり。あの手この手で働き方を変えようという取り組みが進んでいる▼仕事の拘束時間が長く、夜遅くまでの残業も当たり前という風潮が日本にあったのは事実。家庭...続きを読む