論説・コラム

回転窓/建築界の「先生」 [2021年5月24日1面]

 東京都世田谷区の京王線桜上水駅が最寄りの武蔵野の面影が残る住宅街に建築家・内田祥哉氏(東京大学名誉教授)の自邸がある。築50年を過ぎた木造平屋を取材で訪ねると、北側に位置する応接室に通される▼もともとは玄関で改築時に土間のように一段低く囲まれた応接室になった。北面の窓から優しい光が入る心地よい空間だ。内田氏は「深謀遠慮じゃなくて、行き当たりばったりが多い」と話していたが、建築家の造る自宅のすごさ...続きを読む

回転窓/リアル展示会 [2021年5月21日1面]

 国土交通省東北地方整備局らによる実行委員会が、6月に仙台市宮城野区で建設技術展を開く。現地開催を望む声が強く、入場人数の制限など新型コロナウイルス対策を徹底しての実施を判断したという▼ワクチン接種により欧米でリアルMICE(国際的なイベント)再開が加速--。JTB総合研究所(東京都品川区、野澤肇社長)の小島規美江主席研究員が、こうした状況をコラムで紹介していた▼米国に本部を置くMICE国際団体P...続きを読む

回転窓/バーチャル観光のいま [2021年5月20日1面]

 国内外で移動や行動が制限される中、デジタル技術などを活用しながら経済活動を継続しようとする動きが広がる。オンラインで旅行や観光を楽しむ「バーチャルツアー」もその一つ。観光名所などを巡る動画を見て実際に出掛けた気分を味わう▼ツアー企画の開発にも知恵を絞る。地元の観光地や名物を紹介するだけでなく、現地の料理を配達するサービスも。離れた場所に居ながら、より深く疑似体験ができるよう趣向を凝らす▼観光産業...続きを読む

回転窓/5月の豪雨 [2021年5月19日1面]

 シロツメグサ。クローバーと言った方がおなじみかもしれない。子どもの頃、シロツメグサの花を摘むと雨が降ると言われたことがある▼大人になってその話を周囲にすると、そんな話は聞いたことがないと一蹴された。それ以降、すっかり忘れていたが、先日「雨降り花」と呼ばれる花があることを知った▼『日本植物方言集』(日本植物友の会著)によると、シロツメグサやイチリンソウ、コケリンドウ、ギボウシ、ヒルガオなどは花が咲...続きを読む

回転窓/サイバー攻撃の恐怖 [2021年5月18日1面]

 米国で大規模石油パイプラインがサイバー攻撃を受け、操業停止に追い込まれた。運営会社は先週、システムが正常な運転に戻ったと発表し稼働を再開したが、ガソリンのパニック買いが起こるなど小さくない影響が出た▼重要インフラにサイバー攻撃を仕掛けたのはハッカー集団で、システムの修復と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」攻撃を行ったという▼まるで映画のような出来事だが、米メディアによると同社は「ダークサ...続きを読む

回転窓/記憶に残る話し声と立ち振る舞い [2021年5月17日1面]

 入落札情報のウェブコンテンツを発注機関が整える以前は、開札日に結果を問い合わせる電話がよくかかってきていた▼「○○組と××建設のJVです。△△億円です」「いいえこちらこそ。ありがとうございました」。電話での問い合わせに丁寧に応じていたであろう当時入落札などを担当していたKさんの話し声と、見習いたいと思った多くの立ち振る舞いの記憶が、今も鮮明に残っている▼建設専門紙が伝えるべき大切な情報に人事と入...続きを読む

回転窓/京都の悩み [2021年5月14日1面]

 京都市が空き家や別荘、セカンドハウスなどの住宅を対象に法定外税の導入を目指している。市が設置した有識者会議は先月、新税の創設を答申した▼日本有数の観光地である京都は、景観保全などを理由に建築物の高さ規制などがある。大規模開発が難しい中で不動産価格が上昇し、子育て層らが近郊に流出している。一方で、同市の空き家率は1割を超えている▼新税には、こうした眠っている不動産の有効活用を促す狙いがある。ただ、...続きを読む

回転窓/気象予報士の責務 [2021年5月13日1面]

 沖縄・奄美地方に続き、九州南部が梅雨入りしたようだと、気象庁が発表した。昨年よりも19日早いそう。例年なら5月下旬から6月上旬にかけて梅雨前線が徐々に北上していくところだが、今年は前倒しの気配が漂う▼曇りや雨の日が多くなる梅雨期は、日々の天気予報のチェックが欠かせない。大雨による災害が発生しやすい時期でもあり、気象情報には細心の注意を払う必要がある▼気象庁が提供する数値予報資料など高度な予測デー...続きを読む

回転窓/愛鳥週間 [2021年5月12日1面]

 名古屋に勤務していた3年前のこと。ある道路会社の新支店長に就任の取材にいくと、「鷹(タカ)渡り」を早く見たいと言っていた▼その支店長はバードウオッチングが趣味で、週末になると双眼鏡を抱え観測スポットに出掛けるという。名古屋勤務は初めてで、地元でしか見られない野鳥の観測が今から楽しみだとも▼タカは寒い冬に備え、秋(10~11月)に東南アジアへ移動し、春(3~5月)に本州の里山に戻る。愛知県の渥美半...続きを読む

回転窓/3年生に心からのエールを [2021年5月11日1面]

 春の大型連休が終わり中学校や高校の運動部は大会シーズンに入る。3年生の多くは大会後に引退し受験モードに切り替わる▼緊急事態宣言が月末まで延長され、警戒を強めながら大会を開く場合も多いと聞く。開催を見送るケースもあった昨年に続き、部活に打ち込んできた選手、子どもの活躍をじかに応援できない親にはつらい状況であろう▼スポーツに打ち込む若い世代にとって、進学や就職はプレーを続けるかどうか判断を迫られる岐...続きを読む

首都圏Look at/鉄道工事の働き方改革/受注者と工程協議、使用機械再検討 [2021年5月10日5面]

 ◇効率アップへあの手この手
 鉄道工事の働き方改革を促す首都圏の受発注者の取り組みが進みそうだ。多くの終電・初電が見直された3月13日のダイヤ改正以降、受注者と工程の協議を検討する鉄道会社や、同じ工区で行う複数の工事の調整や作業時間の見直しを行っている受注者がいる。働き方改革の効果は担い手確保にとどまらないとみる鉄道工事の関係者は多く、動向が注目される。
 首都圏の主な鉄道会社の多くが3月1...続きを読む

回転窓/猫目線の東京計画 [2021年5月10日1面]

 ペットは大切な家族と溺愛する方は多い。中でもネコは特有の生態や習慣から、思いがけない行動や反応につい目を細めてしまう▼都市の未来はネコに学べと、建築家の隈研吾氏が提唱している。1カ所に定まらず「テンテン」と暮らし、「スキマ」に入り込んで自ら「ノラミチ」を作っていく。ネコの生態にコロナ禍以降の人々は学ぶべきだと問い掛ける▼かつて建築家の丹下健三氏(1913~2005年)は都市計画「東京計画1960...続きを読む

回転窓/感謝を言葉に [2021年5月7日1面]

 今週末の日曜日は「母の日」。花などのプレゼントとともに日ごろの感謝を伝える方も多かろう▼母の日は20世紀初頭の米国で、母親を亡くした女性が教会でカーネーションを配り、追悼したことが始まりと言われている。米国で祝日が制定され、世界各地に伝わっていったそうだ。日本でも昭和初期に始まり、戦後に一般まで浸透した▼モノではなくコトが欲しい母親が多い…。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループの...続きを読む

回転窓/大型連休の希望 [2021年5月6日1面]

 「攻め過ぎた。申し訳ないです」。アルファタウリ・ホンダから自動車レースの最高峰・F1にデビューした角田裕毅選手の走行後の感想を配信記事が伝えていた。守らない気持ちは偉大な成果にきっとつながると信じたい▼F1ドライバーの境地は想像できないけれど、車好きの道路管理者の感想には共感を覚えた。家族や友人らが皆ぐっすり寝ている中の運転席は、信頼してくれている思いを感じながら、時間と景色を独り占めできる孤高...続きを読む

回転窓/プラスの効果 [2021年4月30日1面]

 春の大型連休に入った。新型コロナウイルス感染拡大を受けた3度目の緊急事態宣言の発令、まん延防止等重点措置の適用を受け、遠出を避けてステイホームで過ごす方も多かろう▼緊急事態宣言下の措置では、酒類を提供する飲食店への休業要請など、これまでの対策から一歩踏み込んだものもある。だが路上での飲酒の増加など、新たな社会的問題も目立ってきた▼飲食の機会が半強制的に減り、仕事関係の飲み会の対応にも影響が見られ...続きを読む