論説・コラム

シリーズ・国のかたちを考える2018/職業能力開発総合大学校長・圓川隆夫氏 [2018年12月28日1面]

 ◇技能を科学することが発展に
 司馬遼太郎が『この国のかたち』で言ったように、日本は古来、職人の技が尊敬された重職主義の国だ。
 その伝統を受け継いでいくべきだと言いたいところだが、一方で「匠(たくみ)の呪縛」という指摘がある。熟練の技能や経験といった匠の技に頼り、ソフトウエアや普遍的な枠組み、理論を苦手としてきた。ものづくりは日本の強みだし、匠も存在する。技能をベースにIoT(モノのインタ...続きを読む

回転窓/道具を見れば人が分かる [2018年12月28日1面]

 大工道具の世界で名人と謳(うた)われる千代鶴是秀。11歳で道具鍛冶の叔父に入門し、1957年に84歳で亡くなるまでかんなやのみを作り続けた▼棟梁(とうりょう)らはしなやかでありながら、適度な固さを持ち、切れ味が鋭い是秀の道具を「しんなりがたい」と評し、一度は手にしたいと望んだという▼是秀没後の冬のある日、東京の老舗刃物商の非売品のかんなを店員が誤って客に10万円で売ってしまった。大学出の初任給が...続きを読む

建設業界の平成/激動の30年、次代への課題は/変革の時代に重み増す役割 [2018年12月28日1面]

 平成最後の年の瀬を迎える。バブル崩壊と公共事業費の大幅削減といった冬の時代が続いた建設業だが、東日本大震災などの多発する自然災害を通じてインフラの社会的な役割が見直され、環境が大きく変化した。建設業は平成に何を学び、その教訓は新たな時代でどう生かされるのか。ゼネコントップの見方は-。
 「売上高が1兆円を超えたころに平成が始まった。絶頂期だった」。そう振り返るのは熊谷組の櫻野泰則社長。国内建設...続きを読む

回転窓/観光立国の憂い [2018年12月27日1面]

 年末年始は帰省や旅行などに出掛ける方も多かろう。鉄道や飛行機、自動車などの利用が集中し例年のことながら大変な混雑や渋滞が予想される▼利用者サービスの一環で、交通機関の事業者側が輸送能力増強に向けた投資を行えばいいかと言えば、ことはそれほど簡単に進まない。一時的に急増した旅客数が元に戻れば採算性が低下し、過剰投資が事業継続に重くのし掛かる▼インバウンド(訪日外国人旅行者)が急増する地方などの観光地...続きを読む

回転窓/学校給食130年に思う [2018年12月26日1面]

 年末年始の休みに帰省し、久しぶりに同級生らと会うのを楽しみにしている方もおられよう。すぐに共通の思い出話に花を咲かせられるのも旧友のありがたさである▼以前に小中学生時代の給食の話で盛り上がったことがある。当時はお世辞にも「おいしい」と言えるメニューではなかったが、とりとめのない話をしながら笑い合える貴重なひと時であった。今も学校生活で楽しい時間のはず。そう思っていたが、中には給食でのことが原因で...続きを読む

回転窓/備えの総点検を [2018年12月25日1面]

 地名にはその土地に起きた災害の歴史や特徴を現在に伝えるメッセージが隠されている。「浅」「深」「田」「谷」などの付く地名は海岸線や川の近く、低地、湿地帯などを表し、過去に津波や台風、豪雨などが発生したと考えられる▼地名から災害の記憶をたどるだけでなく、土地の成り立ちからも身の回りの自然災害リスクを知ることができる。例えば、周囲が浸食により削られ周囲より高い「台地・段丘」は河川氾濫のリスクはほとんど...続きを読む

回転窓/韓国でも働き方改革 [2018年12月21日1面]

 働き方改革はお隣の韓国でも大きな課題になっているようだ。7月1日から週当たりの最大労働時間が68時間から52時間に短縮された韓国。本紙が提携する同国の建設経済新聞は、時短に伴う話題をたびたび報じている▼同紙によると、韓国の建築設計界では、プロジェクトごとに会社を渡り歩くフリーランサーが急増しているそう。納期を控え、時短で残業できない社員の代わりに仕事を仕上げるという需要が高まっており、フリーラン...続きを読む

回転窓/建設業とSDGs [2018年12月20日1面]

 世界で取り組みが進むSDGs(持続可能な開発目標)。経済産業省関東経済産業局が全国に先駆け中小企業での認知度を調べたところ84%が「全く知らない」と回答したそう。一般への認知度という面から見ると浸透はまだまだのようだ▼調査結果では「社会的認知度不足」という回答が5割弱を占め、資金不足やマンパワー不足を挙げる声も多かった。盛り上がりに欠け、能動的に取り組むだけの資金も人材もない。それが実態なのかも...続きを読む

回転窓/名付けてゼブラ・ストップ作戦 [2018年12月19日1面]

 何かと慌ただしい12月は1年の中でも交通事故が多い。年末にかけて交通量が増えるのも一つの要因のようだ▼千葉県警が今年8月から進める交通安全のための活動は、名付けて「ゼブラ・ストップ作戦」。シマウマの英訳「ゼブラ」と交通安全がどう関係するのかを知ると、なるどほどそうかと合点がいく。横断歩道の和製語である「ゼブラゾーン」の「ゼブラ」にかけて、横断歩道上の歩行者の保護を強化することなどが目的の作戦とい...続きを読む

回転窓/進化を続ける夢の超特急 [2018年12月18日1面]

 東京と大阪を鉄道によって3時間で結ぶ-。1957年に鉄道技術研究所(現JR総研)の講演で公表された高速鉄道構想は、64年10月の東海道新幹線開業で実現への一歩を踏み出した▼「夢の超特急」と呼ばれ長く親しまれたのは2008年に営業運転を終えた0系。青と白に塗り分けられた流線形の外観は多くの人に親しまれた。新幹線といえばこの車両を思い浮かべる人も多いはずだ▼0系車両の引退から10年。東日本と東海のJ...続きを読む

回転窓/災いを教訓に [2018年12月17日1面]

 日本漢字能力検定協会の今年の漢字は「災」。強い地震が相次ぎ、甚大な被害を生じさせた西日本豪雨、大型台風、災害級の猛暑…。公募の結果、災は2万票を超えての1位だった▼応募者の中には、災害の減少を願って災を挙げた人も多かったという。懸念される複数の巨大地震をはじめ、災害の発生は避けられない。災を意識せずにはいられなかった1年の教訓を備えに生かしていく必要がある▼国土を安全に強くしなやかにする政府主導...続きを読む

回転窓/民の声聞く水道法に [2018年12月14日1面]

 おいしさを表す「旨味(うまみ)」という言葉が、商売で使われると「旨み」の文字に置き換わり、その意味も利益やもうけに変化する▼10日に閉会した臨時国会で成立した改正水道法。行政に代わり、民間が水道料金を収受して運営する「コンセッション(公共施設等運営権)」を推進する規定が盛り込まれたが、「旨みがない」と建設コンサルタントの評判がよろしくない▼コストが落とせても水道事業以外で収益を上げる仕組みがない...続きを読む

回転窓/人類の進歩に貢献 [2018年12月13日1面]

 今年のノーベル賞授賞式が10日、スウェーデン・ストックホルムで行われた。日本からは、医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授が出席。カール16世グスタフ国王からメダルなどが授与された▼世界的に権威のある同賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言によって1901年に創設。生理学・医学、物理学、化学、文学、平和のほか、後に経済学が追加されて「5分野+1分野」で顕著な...続きを読む

回転窓/夕日と文学気まま旅 [2018年12月12日1面]

 冬型の気圧配置が強まり、ここ数日は全国各地で真冬並みの寒さとなっている。つい身を縮めてしまいがちだが、寒い季節ゆえの恩恵もある▼天候に恵まれた日は空気が澄み、夏とは違う夕日の美しさを見られるのも一つ。中でも日本海の夕日は美しく、夕方の早い時間から空と海が赤く染まり始める▼日本古典文学の研究者である浅見和彦成蹊大名誉教授が本紙連載で書いている。「日本海の夕景のすごいところは西から東、左から右、何一...続きを読む

回転窓/ネーミングは難しい [2018年12月11日1面]

 酒に溺れ自堕落な生活を送る怠け者の亭主を、やればできる男だと信じる妻の機転で立ち直らせ、改心した亭主が妻に感謝するという古典落語の名作「芝浜」は、クライマックスが大みそかということもあり年の瀬になると多く演じられる▼かつて江戸から品川にかけての海岸線のうち、芝付近の陸側は芝浜、海上が芝浦と呼ばれた。主人公がこの辺りで魚屋さんを営んでいたことから「芝浜」という題名が付けられたとされる▼夫婦の情愛を...続きを読む
インフラ・ビジネス最前線―ODAの戦略的活用
 途上国や新興国で日本の民間企業が行うイ...続きを読む
建設業で本当にあった59話の心温まる物語
およそ500万人が働く建設業界。それぞれ...続きを読む
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