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建築設計3団体会長が会見/建築士資格制度の運用改善で合同WG設置へ  [2018年6月7日2面]

会見する(左から)六鹿、佐野、三井所の各会長=5日午後、都内で

 建築士法の改正に向けて建築設計3団体が動き始めた。日本建築士事務所協会連合会(日事連、佐野吉彦会長)、日本建築士会連合会(士会連合会、三井所清典会長)、日本建築家協会(JIA、六鹿正治会長)は5日、自由民主党建築設計議員連盟(額賀福志郎会長)に建築士資格制度の改善を共同提案した。東京都内で会見した3会の会長は共同提案内容の詳細を詰めるため、合同ワーキンググループ(WG)を設置すると発表した。
 共同提案で挙げた資格制度の運用改善事項は、▽建築士試験の受験前に求められる実務経験の柔軟な運用▽建築士試験の受験資格のうち実務経験として認める対象範囲の拡大(大学、工業高校で建築教育に携わる者、官公庁で建築行政に携わる者などに拡大)▽学科試験合格者が受験できる製図試験の受験回数(2回)の廃止(無制限へ)▽試験内容の見直し(CADによる試験の導入)-の5項目。このほかに建築士が関与する業務の明確化(安全上重要な改修の設計・工事監理、耐震診断など)も求めた。
 都内で開いた会見で3会長は、建築士資格制度の改善を求めた理由について、1級建築士14万人のうち50歳超が6割以上を占め、高齢化が進む一方、学科試験の受験者が2007年から16年までに4割減少したと説明。佐野会長は「地域の発展、日本全体の成長の力であるインフラ整備を支えるために、若い世代が建築界に入る環境を整える必要がある」と法改正の意義を強調。六鹿会長は「若い人に資格を取りやすい環境をつくり、将来を開いていく」、三井所会長も「3年前の建築士法改正時から、積み残した課題と考えている」と述べた。
 その上で佐野会長は「国が推進する担い手の確保や働き方改革、国土交通省が検討中の業務報酬基準(告示15号)の改正の流れとも一致している。自民党建築設計議連でもおおむね好意的に受け入れられた。国交省も同じ見解だと思う」と明言。議連、国交省との意見交換を経て、3会で設置する合同WGで詳細を詰め、早ければ来年の通常国会に改正案を提出できるよう環境を整えたいとした。
 受験資格の実務経験として認める対象範囲の拡大については、佐野会長が「耐震偽装事件を受け、08年の改正建築士法で実務経験の範囲が(設計・工事監理の関連業務に)限定されたものを広げるわけだが、反省を忘れたわけではない。08年以前は範囲がもっと広かった」と述べ、建築士に求められる仕事が多様化する中で必要とされる経験との認識を示した。建築士が関与する業務の明確化については、三井所会長が「これからストックを重視する時代になり、より専門的知見が求められる」と主張。六鹿会長は「建物の安全・安心を担う建築家、建築士の果たす社会的責任が明確になる」と強く訴えた。

コメント

  • 匿名 より:

    先ずは意匠、構造、設備の資格(責任)を分けて若い建築士の負担(社会的責任)を軽減するのが必要。

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