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現場の熱中症対策が本番/厚労省「躊躇せず医療機関利用を」/建設各社も取り組み推進  [2018年6月26日1面]

例年以上に万全な対策が不可欠となる今夏の建設現場(写真はイメージ)

 建設現場で熱中症の発生リスクが高まる夏本番を間もなく迎える。厚生労働省は昨年度に続いて官民合同の予防推進キャンペーンを9月まで展開。7月を重点月間と位置付け、適切な作業・体調管理と積極的な医療機関の利用を強く呼び掛けていく。全国安全週間を目前に控え、建設各社もさまざまな取り組みを推進。2年前まで減っていた熱中症死傷者数が再び増えている中、官民を挙げて対策に万全を期す。
 厚労省が5月に公表した17年(1~12月)の熱中症死傷者数(職場発生分)は前年より82人多い544人。建設業就業者の死傷者数は28人多い141人となった。建設業の死傷者数は産業別発生割合で最多の約4分の1を占める。
 死亡者数は前年より2人多い14人。うち建設業は8人と半数以上を超える。死亡した人が働いていた職場では、環境省が基本的な対策として推奨している熱中症へのかかりやすさを数値化した暑さ指標「WBGT」の測定が行われていなかった。予防推進キャンペーンの旗振り役を務める厚労省は「基本的な対策ができていればある程度は防げるはずだ」(労働基準局安全衛生部労働衛生課)と指摘する。
 厚労省は昨年に続き、今年も5月から建設業などの関係団体と「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施中。国土交通、農林水産、環境の3省が後援する。JISを満たしたWBGT測定器の設置や涼しい作業服の着用をはじめ、作業時間の短縮、休憩時間の確保、定期的な水分・塩分の摂取、日常の健康状態の確認といった取り組みを徹底するよう呼び掛けている。
 キャンペーンでは梅雨明けを迎える7月を重点期間と位置付け、特に熱中症予防の取り組みを徹底するよう強く働き掛ける。厚労省によると、熱中症死傷者は気温が急に上昇する梅雨明けなど、蒸し暑い環境に慣れない時期に発生したケースが大半という。
 17年に発生した熱中症死傷者が前年比で増えている状況も踏まえ「今年は特に死亡災害の未然防止に注力したい。熱中症の症状は判断しにくい。少しでも疑いがあればためらわず、医療機関で手当てを受けてもらいたい」(同)と作業員と監督者に訴える。
 建設各社による対策強化の動きも相次いでいる。空調作業服の採用や安価な自動販売機の現場設置などの取り組み以外に、IoT(モノのインターネット)やセンサー技術を活用した体調の一元管理などが進む。全国安全週間を前に開かれている安全大会でも、各社は熱中症対策の徹底を呼び掛けている。

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