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総務省研究会/2040年ごろの行政課題で最終報告/圏域単位で行政サービスを  [2018年7月6日1面]

 2040年ごろの地方自治体の行政課題を検討してきた総務省の有識者研究会は、最終報告に当たる「第二次報告」を公表した。人口の減少や高齢化が一段と進む地方圏を念頭に、複数の市町村連携による圏域単位でサービスを提供する仕組みづくりの法制化を提案。現在はさまざまな法律で市町村に求めているまちづくりなどの意思決定や合意形成を、新たに圏域全体で進められるよう求めた。
 最終報告は同省の「自治体戦略2040構想研究会」(座長・清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長、慶応義塾学事顧問)がまとめた。
 最終報告では、40年ごろに人口が一段と減少し高齢化もピークを迎えるとみて、行政課題を整理し対策を提案した。
 現在の数や品質を維持できるサービスや公共施設建築物、インフラが減っていく中、地方圏を念頭に市町村を中心とする単独の自治体だけで行政事務を行っていくのは困難になると指摘。中心となる市と複数の周辺市町村が役割分担する「連携中枢都市圏」などの圏域単位でまちづくりなどに取り組めるよう、新たな法律の枠組みを設ける必要があるとした。
 具体的な基準値は示していないが、特に人口が少ない小規模市町村のインフラ維持管理では専門職員の不在が足かせになるとも指摘。都道府県による本格的な市町村補完を念頭に、都道府県と市町村の垣根を越えて専門職員を柔軟に活用する仕組みづくりも提案した。
 東京圏の行政課題については、最近も進んでいるタワーマンション開発などを背景として都心部に人口集中する状況が続くと予測。同時に政府が今後30年以内に70%の確率で発生すると予測する首都直下地震のリスク回避策や少子化の防止などという観点から、東京23区外で職住近接の拠点都市づくりを構築する必要があるとも強調した。
 最終報告を受け、菅義偉官房長官は4日の記者会見で今後の政府対応について「関係省庁が連携して対応策を議論する。自治体の意見を聞きながら時代に対応できる仕組みをしっかりつくっていく必要がある」と述べた。
 《「第二次報告」の要旨》
 【地方圏を念頭に置いた課題】
 △複数市町村連携の行政サービス法制化
 △都道府県が小規模市町村の事務補完
 △防災など圏域を超えた広域分散型の自治体連携
 【東京圏の課題】
 △圏域全体のマネジメント検討で国も交えた協議の場設置
 △東京23区外で職住近接拠点都市構築
 【最終報告実現に向けた課題】
 △政府全体で自治体行政に関する制度設計議論
 △自治体は必要な対策着手

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