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西日本豪雨/建設関連各社が初動対応/発注者要請受け復旧作業に協力  [2018年7月10日3面]

宅地に水が流れ込んだ沼田川一帯(8日=広島県三原市) 写真提供・アジア航測

 西日本各地に被害を与えた記録的な豪雨で、建設関連各社は初動対応を行った。9日までに従業員の安否や施工中物件の確認などが完了。災害協定を結んでいる発注者からの要請に応じ、復旧作業に乗り出した企業もある。
 被害の大きかった広島県や岡山県に主要な拠点を置くゼネコンは迅速に対応した。創業地の広島県呉市をはじめ、県内に支店や営業所のある増岡組(東京都千代田区、増岡真一社長)は、広島市中区の広島本店などに災害対策本部を設置。災害協定を結ぶ国土交通省中国地方整備局の支援要請を受け、6日から大型土のうの手配、排水ポンプの設置などの作業に、協力会社の職員とともに24時間体制で当たっている。今後も災害協定を結んでいる自治体からの要請が見込まれ、順次対応していくという。
 岡山市北区に本店のある大本組は、BCP(事業継続計画)に基づき、社員とその家族の安否確認を実施。9日までに全員の無事を確認した。施工済み物件で顧客からの要請があり、2次災害の危険がないかどうか見極めながら今後対応していく方針だ。
 西日本の各都市に拠点を置くゼネコンも対応に追われている。大林組は、西日本高速道路会社から山陽自動車道で通行止めとなっているトンネル区間の復旧要請があり、広島支店の職員が土砂の撤去に当たっている。「他にも何カ所かで要請があり、対応を計画中」(広報担当者)という。
 五洋建設は、九州、四国、中国、大阪の各拠点の職員の安否を確認。関連各社も含め全員の無事を確認した。フジタは広島市中区の広島支店などに緊急対策本部を設置し、職員の無事と作業所の安全を確認した。大成建設も社員の安否確認を実施。竹中工務店は物件や現場の被害は特になかった。清水建設も現場に目立った被害はなく、業界団体を通じた対応要請待ちの状況だ。鹿島は広島県内で施工中の現場で一部水没した箇所があった。復旧を急ぐとともに、高速道路会社からの支援要請に対し、対応を打ち合わせ中という。
 パスコ、アジア航測、国際航業、朝日航洋は、災害協定を結ぶ国や自治体など行政機関、JRなど民間会社からの要請を受け、8~9日にヘリコプター、航空機を一斉に飛ばし、各行政機関が指定する地域の被災写真を撮影した。
 エイト日本技術開発は本社に災害対策本部を設置し、発注者からの支援要請に対応している。大手建設コンサルタント各社は15年9月の関東・東北豪雨により鬼怒川(栃木県)の堤防が越流破堤した対応での経験を生かし、雨が止むと同時に、被災地に社員を派遣して状況確認を行った。これを記録し、復旧対応をいち早く考え、行政からの緊急復旧依頼に迅速に対応していく。「将来的にも、こうした作業の積み重ねと教訓が事前防災への対応に役立つ」(建設技術研究所)としている。

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