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竹中工務店、オイレス工業/新型免震装置開発/摩擦すべり機構導入、過大な伝達防止  [2018年7月13日3面]

通常地震時と巨大地震時のQTBの挙動

 竹中工務店とオイレス工業は共同で、巨大地震にも高い免震性能を発揮するアイソレーター「QTB」を開発した。鉛プラグ入り積層ゴム(LRB)の上下どちらかに、フッ素樹脂系すべり材とステンレスすべり板で構成する高摩擦すべり機構を重ねて配置する。巨大地震時には、すべり機構が機能して建物躯体への地震力の伝達を防ぐ。竹中工務店が神戸市東灘区で建て替え中の社員寮に初適用する。
 アイソレーターは、免震建物を支持する部材の一つ。地震時には水平方向にゆっくり大きくばねのように変形し、建物に伝わる地震力を大幅に低減する。通常、LRBは上部建物側、基礎側とも厚い鉄板を挟んでボルトで固定する。
 QTBはすべり機構を配置する側をボルトで固定しない。通常の地震時はすべり機構部が摩擦力によって水平に固定され、LRB部が地震の動きに追随して免震性能を発揮する。巨大地震時には、地震の動きに追随する箇所がLRB部からすべり機構部に切り替わり、上部建物への過大な地震力の伝達を防止できる。
 米国にある世界最大級の免制振部材加振試験機を使い、LRB部のゴム寸法が900ミリ×900ミリの実大試験体で性能を確認した。開発を手掛けた濱口弘樹技術研究所地震工学部振動制御グループ長は「LRBの上下どちらにすべり機構を配置しても性能は変わらない。施工性などから総合的に判断する」としている。
 施工中の社員寮「深江竹友寮」はRC・S・SRC造3階建て延べ6203平方メートルの規模で、19年7月の完成予定。弾性すべり支承やオイルダンパーを組み合わせた免震システムの構成要素として、QTBを16基設置する。
 病院や庁舎、警察署、消防署、学校など巨大地震直後も機能を維持する必要のある建物や原子力発電関連施設など、最高度の耐震安全性が求められる建物などにQTBの採用を提案していく。

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