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日本工営/ラオスで発電所増設/既存ダムに穴を開けて機能拡張  [2018年7月17日1面]

既設堤体に穴を開ける工事が進むナムグム第1水力発電所

 日本工営は、ラオスで既設ダムの堤体に穴を開け発電所を増設するリニューアル事業を展開している。施工は安藤ハザマが担当し、日本工営・電源開発・ラオコンサルティンググループの3者JVが詳細設計・施工監理を担う。発電用の水を供給する既設ダムに発電用の取水口を取り付け、容量40メガワットの電力を増産する。完成は20年2月を予定している。
 同国は急速な経済発展により、世帯電化率が2005年の48%から15年は91%に上昇した。ピーク需要も05年の313メガワットから15年に760メガワットまで急増。民間電力会社は国内需要を満たすため、渇水期に隣国のタイや中国、ベトナムから電力を輸入している。輸入量は05年の330ギガワット時に対して、15年には2050ギガワット時まで増大しているという。今回のプロジェクトは、電力不足を解消する政府による新規電源の開発として進んでいる。
 事業名称は「ナムグム第1水力発電所拡張事業」。国際協力機構(JICA)の円借款事業として17年6月に着手した。総工事費は55億4500万円。ナムグム第1水力発電所は日本工営の創業者である久保田豊が60年前に実施設計・施工監理を担当した。現在はダムからの取水で1~5号発電所(総容量155メガワット)が稼働している。
 現場では、既設の1~5号機と洪水吐きの間の堤体部に6号機を新設するためダム堤体を削孔し、水路部となる取水口と水圧鉄管を施工する。横杭(水路部)の幅は6・7メートル(水圧鉄管径5・5メートル)。稼働中の発電所に影響が出ないようにするため、堤体貫通前に取水口ゲートを完成させ貫通後はダム湖側の堤体の一部を残して、バルクヘッド(湖側の堤体壁に設置する仮締め切りの耐圧ふた)と取水口ゲートで二重に水路部を閉鎖した状態で坑内工事を実施。最後にバルクヘッドを外して通水する。
 経済成長が進む東南アジア各国では新設ダムの建設とともに、既設の発電用ダムを更新して増強する案件も徐々に増えている。日本工営はラオスでの工事実績を広くPRし、類似工事の受注につなげる考えだ。

コメント

  • 茨城県 青年海外協力隊を育てる会 会員 笠原岳夫 より:

    私は日本の立派なODAの事例について、もっと広く世間に広報し顕彰してほしいと考えるものです。
    このナムグム第1水力発電所は、久保田豊氏の慧眼で当時提案-設計-施工されたもので、その後売電によりラオスの国家収入に大きく貢献してきたと聞いております。
    それらのことをしっかりと顕彰した「記念碑」を現場にぜひ建立して欲しいと思っております。先月現場を訪問し、武内事務所長と面会、個人ではありますが、図々しくもこのようなお願いをしてみました。

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