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大林組/オープンイノベーションで技術開発推進/米シリコンバレーに拠点開設  [2018年7月23日3面]

次世代型の自動品質検査システムのデモ=20日午後、東京都清瀬市の技術研究所で

 大林組は、自社の保有技術と社外の革新的な知識・技術を有機的に結び付けるオープンイノベーション手法を活用した技術開発に乗りだした。「オープンイノベーション推進プロジェクト・チーム」を設置するとともに、先端IT企業などが集積する米シリコンバレーに、同チームのサテライトオフィスを開設。初弾として次世代型の自動品質検査システムを開発し、建設現場の配筋検査作業への適用性を実証した。
 自動品質検査システムは、「現場監督の目」に代わるデジタル技術をコンセプトに開発した。高度な自己位置推定技術をベースに、点群データ生成機能、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)との連携機能、MR(複合現実)を組み合わせた。ヘルメットにMR機能、タブレットには検査機能を搭載し、品質検査の中でも特に複雑で時間がかかる配筋検査業務を効率化する。
 カメラで撮影した映像から自己位置を推定する技術と周辺の物の配置やどこに壁があるかなどの環境地図の生成を同時に行う技術を利用。BIMモデルと重ね合わせることでWiFiやGNSS(全球測位衛星システム)を利用できない場所でも、現在の位置と見ている鉄筋が図面上のどこの箇所か自動で認識できる。
 MRの映像を確認するだけで、今の状況が正しいかどうかを瞬時に判別可能。配筋の本数や間隔、径、長さ、材質も判別できる。今年5月に国内の建設現場に導入し、配筋検査業務で25%以上の生産性向上効果を確認した。19年度の本格導入を目指す。
 昨年10月、シリコンバレーに開設したサテライトオフィスは、米国のスタートアップ企業や研究機関との協業によりプロジェクト・チームの活動を促進するための拠点となる。シリコンバレーでの研究開発拠点の設置は日本の建設会社で初という。
 20日に東京都清瀬市の技術研究所で記者発表会が開かれた。後藤和幸執行役員建築本部副本部長兼技術本部副本部長は、同社がBIMをベースに構築を目指す次世代建設プロセス「大林コンストラクション4・0」を紹介。今回開発した自動品質検査システムも構成要素の一つで、「状況を的確に判断して人をサポートし、時には取って代わることでより高度で正確かつ効率的な作業を加速させる建設支援システムとなる」と期待を込めた。

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